“凱旋”で薩摩の国がみなみフィーバー

 薩摩の国がみなみフィーバーに‐。女子プロゴルフの「KKT杯バンテリン・レディース」(熊本空港CC)で国内女子ツアー史上最年少優勝記録を打ち立てたアマチュアの勝みなみ(15)=鹿児島高1年=が快挙から一夜明けた21日、女子高生に戻って“凱旋登校”した。新聞、テレビ、雑誌を合わせてマスコミ計19社、約40人の報道陣が殺到した学校は大騒ぎ。日本中の注目の的となったニューヒロインは、今回の優勝で手にしたプロ転向の権利を行使しない考えを示した。

 コースでの堂々たる姿とは打って変わって、スーパー15歳もこのときばかりは表情が硬かった。最年少Vから一夜明け、勝は朝のホームルームで担任の先生から“優勝スピーチ”を促された。「これからちょくちょく学校にも来るので、仲良くしてください」。テレビカメラも回る中で級友たちにあいさつ。その様子は全国ネットのニュースやワイドショーで放映され、お茶の間に流れた。

 日本ゴルフ協会(JGA)のナショナルチームの海外遠征などもあり、入学したばかりの鹿児島高に通ったのは、この日で2度目。1年4組の教室の近くにはわんさかと人だかりができた。友人らからは祝福のメールが約600件届き、まだ半数程度しか返信できていないという。

 午後からは記者会見が行われ、地元鹿児島のメディアは当然、東京からも多数訪れ、19社、約40人の報道陣が集まった。学校関係者も「初めて」と目を丸くする異例のフィーバーとなった。

 進路にも注目が集まる。今回の優勝で、女子ツアーにプロとして出場できる単年登録の申請が可能になった(締め切りは、優勝の翌日から4週間以内の5月16日)。勝は「(今後のことは)まだ決まっていない」と前置きした上で、「学業との両立を優先させるのか」との報道陣の問いには「そうです」と明言。今回の権利は行使せず、高校卒業後にプロに転向する考えを示唆した。

 学校側も出席日数の足りない分をリポート提出などで補えるよう、文武両道のサポート態勢を敷く。今後は5月2日開幕のサイバーエージェント・レディース(千葉・鶴舞CC)に出場予定。「注目を浴びることは好き。これからも自分のプレーをしたい」。チャレンジ精神旺盛な「薩摩のみなみちゃん」の快進撃はまだ止まらない。

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