【舩越園子の目】1年の経験で成長の遼
「フェニックス・オープン・第2日」(31日、TPCスコッツデール=パー71)
1年の経験は大きいなあ。予選落ちした石川遼を取材しながら、つくづくそう思った。
フェニックス・オープン開幕前、日本では補欠だった石川が出場できるかどうかに注目が集まり、水曜の夜に繰り上がり出場が決まったときは、それが大きなニュースのように報じられた。
が、彼は2日目に大きく崩れて予選落ち。試合に出ることの大変さを味わい、おまけに予選落ちしたとなれば、補欠でやきもきせずに、出られる大会こそは絶対出ようと考えがち。だが、石川は来週のペブルビーチ・プロアマをあえて休む決意を固めていた。
今年に入って4連戦目。肉体的な疲労はたまり始めている。前週は上位争いに絡み、精神的に疲弊した。「今週は思考が鈍ってジャッジミスが多かった。体に負担がきてからでは遅い」。
昨季は「休むのが怖かった」。だから腰痛に目をつぶり、無理に試合に出ては予選落ちしてシード落ちの危機に瀕(ひん)した。そうやって「1回痛い目に遭っている」からこそ、今季はあえて休み、「有意義な1週間にしたい」。
石川は大人になった。プロになった。予選落ちしても大きく見える。彼を成長させた1年の経験は想像以上に大きくモノを言いそうだ。(在米ゴルフジャーナリスト)