44年ぶり復活の女子オートレーサー・坂井宏朱さん激突死

 【2012年2月15日付デイリースポーツ紙面より】

 44年ぶりの女子オートレーサーとして、昨年7月にデビューしたばかりの坂井宏朱選手(船橋)が15日、船橋オートレース場での練習中にバランスを崩して落車し、緩衝柵に激突。頭蓋骨骨折により、午後5時13分死亡した。27歳だった。坂井さんは同レース場で14日から行われているシリーズに参戦中だった。なお、葬儀などの日取りは未定。

 悲劇は15日の夕方に起こった。最終レースが終了した後、坂井さんは走路に出て走行練習を開始した。練習を始めてからしばらくして、ゴール板を過ぎた坂井さんが突然バランスを崩して、1コーナーで落車。かなりのスピードで緩衝柵に激突した。

 関係者によると、坂井さんが先に柵へと激突したところに、愛車が直撃したという。すぐにドクターカーが現場に到着し、必要な処置がとられたが、手当てのかいもなく、午後5時13分、頭蓋骨骨折のため死亡した。

 坂井さんは石川県出身。法大法学部卒業後、大手旅行代理店に就職したが、女子レーサー募集を知るやいなや、選手になることを決意。第31期選手候補生として10年9月14日、茨城県下妻市筑波サーキット内のオートレース選手養成所に入所。44年ぶりの女子レーサー復活を目指すオートレース界へと飛び込んだ。同期は20人いたが、女子は佐藤摩弥と2人だけだった。

 モータースポーツの経験は全くなく、研修生時代は人一倍苦労した。東日本大震災の影響で研修訓練が38日間中断したこともあったが、9カ月間にわたる訓練を終えて11年7月8日に卒業。同月30日、船橋オート初日第4Rで念願のプロデビューを果たしたが、最後着の8着に沈むほろ苦デビューとなった。初勝利を挙げたのは8月21日の船橋オート最終日第2R。デビュー9戦目だった。  オートレースを管轄するJKAの石黒克巳会長は「坂井選手の訃報に接し非常に驚いております。まずは、坂井選手のご冥福をお祈りするとともにご親族の方々にはお悔やみ申し上げます。昨年44年ぶりの女性選手としてデビューし、これからの飛躍を期待していた矢先の事故で残念でなりません」とコメントした。少しずつ上達し、成長していきつつあったところに襲った出来事が残念でならない。

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