羽生、尻もち3位に「過信があった」

 「フィギュアスケート世界選手権・男子SP」(26日、さいたまSA)

 男子ショートプログラム(SP)などが行われ、ソチ五輪で日本男子史上初の金メダルを獲得した羽生結弦(19)=ANA=は4回転ジャンプで転倒し、91・24点で3位だった。五輪5位の町田樹(24)=関大=は自己ベストを更新する98・21点で首位。ハビエル・フェルナンデス(22)=スペイン=が96・42点で2位。小塚崇彦(25)=トヨタ自動車=は85・54点で6位だった。

 時間と共にわき上がる、ふがいない己への怒り。「まったくハッピーではなく、自分自身に怒りも覚えています」。試合後の記者会見。19歳の若き王者・羽生は自らを責めた。

 五輪金メダリストとして臨んだ凱旋試合。だが、冒頭の4回転で転倒する痛恨のミス。その後は得意の3回転半ジャンプや、切れ味抜群のステップで超満員の観客を魅了したが、演技後にはガッツポーズもなく表情もさえない。「ソチのフリー後もうれしくなくて、五輪後はカナダで一生懸命練習してきたが、実際にこうしてミスをしてしまって3位。ここにいる自分が許せないです」と心境を吐露した。

 追われるものとして初めて挑む世界選手権。一部の熱狂的ファンから、滑走直前のポーズに入った際に声援が飛んだが「確かに聞こえましたけど、それは影響ない。練習でもSPはミスなくきていたので、ちょっとした過信というか、気の緩みがあったのかもしれない。五輪王者という言葉そのものにはプレッシャーはついていない。過信は心の問題」と言い切った。

 首位の町田までの点差は約7点。そんな展開に「楽しい。すっごい楽しいです」と語る羽生の目は挑戦者そのもの。「過去よりも未来を見据えたい。あさって(のフリー)に向けてやって、自分がハッピーになれれば」。

 01‐02年シーズンのヤグディン(ロシア)以来2人目となるGPファイナル、五輪、世界選手権の3冠へ。金メダリストとして最初の試練を、若き王者はどのように乗り越えるのか。

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