元幕内豊山が引退会見「腕が限界を」同期朝乃山と「もう1回戦いたかった」今後も言及

 引退会見で笑みを浮かべる元幕内豊山(日本相撲協会提供)
 近大4年、十和田大会で3位の朝乃山。左は優勝した豊山
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 28日に現役を引退した大相撲の元幕内豊山(29)=時津風=が29日、オンラインで会見に臨み「現役中は多くの方に応援していただき、背中を押していただいた。本当に感謝している。千秋楽まではいろんな思いがあったが、ホッとしたというか、肩の荷が下りたなという感じはする」と心境を語った。

 昨春に腱(けん)を断裂した右上腕に加え、左腕の状態も悪化。8場所ぶりに十両に陥落した九州場所前に「もう腕が限界を超えてしまいました」と師匠の時津風親方(元幕内土佐豊)に相談していた。九州場所は12日目に負け越しが決定。翌朝に引退の意向を師匠に伝えた。「理想とする相撲が最近取れていなかったり、日常から体がうまく動かせなかったり、そういう中で決断に至りました」と説明した。

 同期である元大関の幕下朝乃山への思いも口にした。学生相撲からともに三段目100枚目格付け出しでデビューした2016年春場所の最初の一番でいきなり直接対決。豊山が寄り切りで勝って、プロ生活が幕を開けた。幕内でもしのぎを削ったライバルを「彼の存在は僕の相撲人生の中で一番大きかったかな」と表現。「彼も彼なりに大変な思いをしている。もう一回、力と力をぶつけあって戦いたかった。それがひとつ心残り」と再戦がかなわなかったことを悔やんだ。来年初場所での関取復帰が確実な朝乃山には「これからもっともっと活躍して相撲界を盛り上げていってくれる一人だと思っている。僕は陰ながら応援できたら」とエールを送った。

 今後は協会に残らず、都内でパーソナルトレーナーとしての活動を予定。「ケガをした人のために何かできるのでは、相撲界で生きていたことを生かせるのではと思って。これからどんどん勉強していきたい」と抱負を語った。

 新潟市出身の豊山は、東農大から時津風部屋に入門し、2016年春場所で三段目100枚目格付け出しで初土俵。同年九州場所で新十両に昇進し、17年夏場所で新入幕を果たした。最高位は前頭筆頭。突き押しを武器に幕内を通算26場所務め、敢闘賞1回を獲得した。

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