元蒼国来の荒汐親方が断髪式 「これが区切り」 涙拭う場面も

 断髪式で元白鵬の宮城野親方(中央)にはさみを入れられる元蒼国来の荒汐親方(右)
 整髪を終え、鶴竜親方(左)から花束を贈られる元蒼国来の荒汐親方
 師匠の引退相撲で実現した兄弟対決で突っ張り合う若隆景(左)と若元春
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 2020年春場所限りで現役を引退した元幕内蒼国来の荒汐親方(38)の引退相撲が2日、東京・両国国技館で行われた。断髪式には、元横綱白鵬の宮城野親方、元大関霧島の陸奥親方ら約240人が参加。先代荒汐親方で元小結大豊の鈴木栄二氏に止めばさみを入れられた。涙を拭う場面もあった荒汐親方は「いろいろ思いはあったが、これが区切り。土俵の中で強い力士はもちろん、外でも人としてしっかりした活躍ができる、相撲の世界に入って悔いがない力士を育てたい」と決意を新たにした。

 中国内モンゴル自治区から19歳で来日。幕内として活躍中に八百長問題で解雇処分を受け、訴訟で解雇無効の判決を勝ち取るまで2年半土俵を離れた時期もあった。味わった苦難も「一つの人生の経験なのかなと。今後もそれを生かしながら頑張っていきたい。人との出会い、支えてくれた人たちの力を大きく感じている」と前向きに振り返った。

 師匠として、弟子の若隆景が春場所で初優勝。若元春も幕内上位で存在感を示している。「コツコツやってきたこと、先代がずっと教えていたことがやっと花開いてきたかな」としつつ「まだまだ。彼らはもっと成長するところもある。もっともっと自分なりに教えていきたい」とあふれる意欲を口にした。

 引退相撲では、若隆景と若元春が兄弟対決。若隆景が上手投げで兄を下して館内をわかせた。荒汐親方は「私が相撲を取るより、彼らの元気なところを見せた方がいいんじゃないかと思って『代わりに相撲を取ってくれ』と。盛り上げてくれてよかった」と目を細めていた。

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