業師・宇良が豪快珍手星 15キロ重い相手に送りつり出し決めた!幕内16年ぶり大技

 「大相撲秋場所・5日目」(16日、両国国技館)

 人気業師の幕内宇良が送りつり出しの大技で大栄翔を破り、2勝目(3敗)を挙げた。自身より15キロ重い162キロを抱え上げ、約50センチは浮かせて土俵外へ豪快“ウラ投げ”。驚異的怪力で観客をどよめかせた。新横綱照ノ富士は新鋭・霧馬山を大相撲の末に下し、無傷5連勝。全勝トップは平幕千代の国と2人になった。両大関は正代が若隆景を圧倒し1敗を死守。かど番の貴景勝は琴ノ若を退けて3連敗後、2連勝と立て直してきた。

 観客もびっくり仰天、拍手が鳴りやまない。宇良が大栄翔の後ろを取ると、何と抱え上げた。そのまま約50センチも浮かせると、ぶん回し。最後は土俵外に豪快に飛ばした。

 自身初の大技「送りつり出し」は幕内で16年ぶり3度目。前回、2005年九州場所、元横綱朝青龍が安馬に決めているように通常、つり上げられるのは軽量の力士側だ。宇良は自身より15キロも重い相手にさく裂させた。

 しかも、まわしをつかんでいない、ウルトラE難度の“ウラ投げ”。土俵で浮かべた“どや顔”も当然だ。

 希代の業師は、これが勝ち相撲で29種目の決まり手。「また1個、増えたんですね。うれしいです」と笑った。

 つりには理由があった。この日の幕下取組。大日堂(陸奥)の背後を取った海士の島(八角)が右膝から崩れた。有利な側がまさかのつき膝で敗れた。

 宇良は右膝を2度手術し、はい上がってきた。だからこそ「焦りました。背中に回った時、あそこからの勝負が一番、危ない。あの一瞬で頭をよぎった」と警戒。一瞬の隙も与えず、勝負に徹した。

 長いリハビリ中、鍛えたのが握力。専用の強化機器を毎日、握り続け、110キロを超える。怪力と呼ばれる栃ノ心でも80キロ前後。全身もムキムキで今や小兵ではなく、秘めたパワーは幕内でもトップレベルなのだ。

 21場所ぶり幕内復帰した先場所、10勝を挙げた。東前頭6枚目の今場所、初日から3連敗と苦しんだが2連勝。この日は馬力ある大栄翔の突っ張りをはね上げ、一歩も引かなかった。「力は出し切れた」と優勝経験者を撃破し逆襲へ加速する。

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