正代 らしさ全開3連勝 天性の武器反り腰で逆転 秋連覇へ「守るのでなく攻めて」
「大相撲秋場所・4日目」(15日、両国国技館)
大関正代が幕内隆の勝を突き落とし、2日目から3連勝に伸ばしトップと1差をキープした。昨年秋場所で初優勝し大関昇進を果たしてから1年。地位の責任感を胸に逆転連覇へ勢いづいてきた。
悪癖ではあるが、反り腰は正代の天性の武器だ。馬力ある隆の勝の突きにあごが上がり、後退した。俵に足がかかるピンチを、のけぞって防御。逆襲に転じ最後は右から突き落として逆転した。
「よく反応できた。そこは良かった。押し込まれても何とか勝てている。体の動きがいいのかな」と、手応えを口にした。
前日、北勝富士戦では立ち合いの当たり抜群の大関相撲。一転、この日は土俵際のしぶとさ発揮。力強さとヒヤヒヤが日替わりの“正代らしさ”全開に3連勝と乗ってきた。
昨秋、初優勝を果たし大関昇進と力士人生が一変した。大関としてこの1年、かど番が2度、2桁勝利は1度と地位を守ることだけに必死だった。
根はネガティブだけに「まずは勝ち越し」が大関での口癖となっていた。だが、重圧に耐え、その中で看板を守ってきた日々が自信になったのも確か。
「けがもあった中で、ぎりぎりだが何とか大関という地位は守れている。ここからは守るのでなく攻めていけたら」。攻める大関への変身を決意し、今場所に臨んでいる。
秋連覇が懸かるが「去年とは立場が違う。気持ちの持ちようも違う」と自負をにじませる。大関として初優勝に意味がある。「何とか最後まで付いていきたい。自分の相撲に集中して周りのことは気にしない。白星を重ねて食らいついていきたい」と、いつもとは違う強気な言葉を並べた。新横綱の独走は大関の意地にかけ阻止する。