44歳・聡ノ富士 代役弓取り式で年長記録更新「任された以上、しっかり」

 「大相撲秋場所・4日目」(15日、両国国技館)

 2日目から急きょ、弓取り式を務める44歳の元幕下、東序二段45枚目の聡ノ富士(伊勢ケ浜)が魁ノ若(友綱)を豪快な上手投げで仕留め、初白星を挙げた。「安心しました」と笑みを浮かべた。

 弓取り式は2018年初場所を最後に“後進”に譲ったが、3年8カ月ぶりの復帰。44歳5カ月で弓取り式は自身の年長記録を更新した。「年も年。見せられる体でもないしね」と苦笑いする。

 突然の代役指名は初日の夜だった。初日に弓取り力士の幕下将豊竜(時津風)が取組で負傷し、交代が決まった。「(練習は)やらずにぶっつけ本番。さすがに緊張した」と言う。ただ染みついた所作は体が覚えていた。

 「また、本場所で弓取りができると思っていなかった。任された以上、最後までしっかりやろうと思う」。今場所、結びの一番を弟弟子の新横綱照ノ富士が担う。その後の弓取り式で、自身がしっかり締める責任感をにじませた。

 弓取り式は結びの一番の勝者に代わり、土俵上で弓を受け、勝者の舞を演ずる。全取組終了後に行われる。一般的に、横綱が在籍する部屋の幕下力士が選ばれることが多い。

 以前は部屋に元横綱日馬富士がおり、今回、新横綱誕生で巡ってきた大役。「感慨?本当にそう思う」としみじみ。どん底からはい上がった照ノ富士の姿は間近で見ていた。「(復活は)うれしい。頑張りを近くで見ていた。感慨深いですね」と、かみしめた。

 自身の取組が午前10時半に終わり、弓取り式の午後6時までが長い。「外にも出られないし、本当に支度部屋でボーっとしている。それもつらい」と、嘆いていた。

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