不適切演出問題 橋本会長「大変ショック。あってはならない」佐々木氏の辞意は受け入れ

記者会見する東京五輪・パラリンピック組織委の橋本聖子会長(右)と武藤敏郎事務総長=18日午後、東京都中央区(代表撮影)
記者会見する東京五輪・パラリンピック組織委の橋本聖子会長=18日午後、東京都中央区(代表撮影)
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 東京五輪・パラリンピックの開閉会式の責任者であるクリエーティブディレクターの佐々木宏総合統括が五輪開会式で女性タレントの渡辺直美さんの容姿を侮辱するような演出を提案していた問題を受けて、大会組織委員会の橋本聖子会長(56)と武藤敏郎事務総長(77)が18日、都内で会見した。橋本会長は冒頭のあいさつで「佐々木宏について、女性蔑視ととられる発言があったと報道がありました。私としても大変ショック。こんなことはあってはならない」と、話した。

 佐々木氏は同日、大会組織委員会を通じて謝罪文を発表し、辞意を表明していた。この日、改めて佐々木氏から事実説明と辞意が伝えられ、橋本会長は「佐々木氏の存在は式典成功に極めて重要。しかし、反省とお詫びの言葉があり、状況を踏まえ、佐々木氏の判断を重く受け止めた。辞意は固く、組織委としてもジェンダー平等推進を重要施策とする中で、辞意を受け入れることを決めました」と、辞任を受諾したことを明かした。

 新体制については「チームのもとで準備を進めていた。体制は維持しながら、女性の比率のバランスも考えて、しっかり対応できる体制にしていきたい」と、説明した。

 同件は17日に「文春オンライン」が報道。佐々木氏は昨年3月、演出担当チームのメンバー宛にタレントの渡辺直美さんをブタに例え、侮辱したととられる内容の演出プランを送信。メンバーからの批判を受けて、撤回されたという。佐々木氏は18日未明に組織委を通じてを発表。報道内容について「昨年3月の私のLINEのグループラインの中において、オリンピック開会式のアイデアフラッシュを仲間うちでやり取りする中で、私のアイデア及び、発言内容に、非常に不適切な表現がありました。出演者の候補として名前が上がっていた渡辺直美さんに対する演出アイデアの中で、宇宙人と地球人の接点的な役柄で、オリンピックの使者的キャラということで、オリンピックの語尾をピッグという駄洒落にして、オリンピッグという名前のピンク色の衣装で、耳がぶたのはどうだろう、というような発案をしました。アイデアをLINE上で書き、みんなの意見を聞きましたが、すぐに、MIKIKOさんから「ピンとこない、」他のメンバーからは手厳しく「面白くない」「女性を豚に例えるなんてありえない」「一時的なアイデアだとしても、言うべきじゃない」などと、LINE上で、スタッフから非常に怒られ、私も、その場で、大変恥ずかしながら、スタッフからの率直な直言で目が覚めました。メンバー全員にLINE上で謝り、撤回しました。気づかせてくれたことに礼も言ったつもりです。私が調子に乗って出したアイデアです」と認めた上で「渡辺直美さんに対しては、大変な侮辱となる私の発案、発言となること。これは取り返しのつかないことです。心から反省して、ご本人、そして、このような内容でご不快になられた方々に、心からお詫び申し上げます」と、謝罪した。

 そして「文春さんから電話取材を受けた段階で、この私のLINE上での、大失言が表に出て、渡辺直美さんにも伝わるときが来たら、責任をとって辞表を出すべきと考えて来ました。あと数ヶ月に近づいたオリンピック・パラリンピック開閉会式を日々死にものぐるいで準備するメンバーにも、本当に申し訳ない気持ちです。先程、橋本会長には、夜分ではありますが、お電話で、私の辞意をお伝えしました。あらためて、辞表を書かせて頂き、お届けするつもりです」と、辞任する意向を表明した。

 佐々木氏は当初、開閉会式の演出チーム内でパラリンピックの演出統括を務めていたが、新型コロナウイルスの感染拡大による大会簡素化で、昨年12月、狂言師の野村萬斎さんに代わり、総合統括に就任。これにともない萬斎さんらの演出チームは解散した。

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