森会長 五輪否定的8割の世論調査に疑問「国民がどうしようかという時期になぜ調査」

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が12日、都内で「さあ、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックだ。」との演題で講演会を行った。

 先週末の行われた複数の世論調査で、東京大会に対して、中止もしくは再延期で今年の開催に否定的な声が8割に達したことに言及し、「開催すべきが1月の調査で14%、12月から半減した。再延期は1月が44%で12月は32・2%だった。ただ、再延期というのは開催するべきだという声。58%が開催してほしいという意見だ」と、強調した。

 一方で、世論の流れによる行政改革、財政改革が進んだ中で、新国立競技場に「天皇陛下が座る玉座がなかった」、「屋根がなくなった」、「聖火台がなかった」などさまざまな問題が出たことに「削減、削減、節減、節減という世論に押されたというのか、マスコミに押されたというのか。そういうことによってメイン競技場の主要なものが全部なかった」と、指摘。一部を組織委員会の経費で作り直していることも明かした。

 その上で「世論調査を無視しろとは言わないが、世論調査にはタイミングと条件がある」と話し、「今のコロナで、こういう騒ぎでやっている時に、『オリンピックどうですか?』と聞かれたら、何と答えますか?答えようがないでしょう。まして一般国民が、“明日、子供や孫の成人式が中止になった”“来月結婚式の予定をどうしようか”と、そういう時期に、なぜあえてこういう『五輪をやるべきか』『延期すべきか』『中止すべきか』という世論調査をするのか。世論の動向を見るのは大事なことだけど、これをこうして発表しなければならんのかなと。私には疑問がある」と、投げかけた。

 東京五輪に向けては「何がどうなるか分からない。五輪に対してどういう判断が下されるかも分からない」と話した上で「私の立場では、今年難しいとは口が裂けても言えない。言えば、夕方のニュースから明日の朝刊に、“弱気”“難色”って出るだろう。それが世界中に広まる」と、自戒するように話した。講演会前に行われた組織委員会の年頭あいさつでは「私がここで考え込んだり、迷ったりすれば、すべてに影響する。あくまで進めていく。これが私の最後の仕事。天命」と、話していた。

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