豊ノ島が引退「娘も分かってくれると思う」4金星、三賞10度の実力者

 日本相撲協会は17日、理事会で元関脇豊ノ島(36)=本名・梶原大樹、時津風=が現役を引退し、年寄井筒の襲名を承認したことを発表した。

 三役在位13場所、通算703勝。三賞10度(4技能賞、3殊勲賞、3敢闘賞)、4金星を獲得。168センチと身長は高くないものの、左差し、もろ差し、肩すかしを得意とし、土俵を沸かせた。10年九州場所では14勝を挙げながら、横綱白鵬(宮城野)に決定戦で敗れ、優勝には届かなかった。“準優勝”5度とV戦線常連の実力者だった。軽妙なトークで人気力士でもあった。

 高知・宿毛高から02年に角界入りし、同年初場所で時津風部屋から初土俵を踏んだ。“同期生”に元横綱稀勢の里(現荒磯親方)、元大関で幕内の琴奨菊(佐渡ケ嶽)らがおり、出世を競った。04年秋場所で新入幕し、07年夏場所で新三役と順調に昇進した。

 16年名古屋場所前に左アキレス腱を断裂する大けがを負い、同年九州場所で12年ぶり関取の座を陥落。そこから2年の幕下生活を乗り越えて18年九州場所で十両に復帰、昨年春場所で再入幕した。

 両足に不安を抱え、今年初場所で4勝11敗の不振で幕下に陥落。東幕下2枚目の春場所でも2勝5敗と負け越し、19年に及ぶプロ生活に幕を引いた。

 苦しい時も家族が現役を常に後押ししてくれた。長女希歩ちゃんは7歳ながら幕下に陥落すれば、無給生活になる父親に「私が貸してあげる」と泣きながら現役続行を訴えた。

 春場所後も本人は完全燃焼し、悔いのない表情に見えたが「あとは娘との話し合い」と冗談めかして引退を示唆していた。先週、大阪から戻り、部屋で稽古を再開した際は「娘も分かってくれると思う」と話していた。

 常にライバルだった琴奨菊との再戦をモチベーションにしてきたが、かなわず。今後は部屋付き親方として後進を指導。弟弟子の関脇正代、豊山らに優勝の夢を託す。

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