夏場所が2週間延期…八角理事長「中止含め柔軟に対応」 番付は予定通り27日発表
日本相撲協会は3日、臨時理事会を開き、新型コロナウイルス感染拡大の影響で夏場所(両国国技館)の開催日程を2週間延期することを決議した。初日は5月10日から同24日、千秋楽は同24日から6月7日に変更。名古屋場所も初日を7月5日から同19日、千秋楽は同19日から8月2日にずらした。本場所の開催可否は決まっておらず通常開催、春場所同様の無観客、観客数を制限し濃厚接触を避ける規模縮小での開催、中止も含め今後の状況を見て判断する。
夏場所を開催する東京では2日に最多97人、3日に89人もの感染者が出た。緊迫感が日々高まる首都で37日後に初日など迎えられなかった。
理事会では夏と名古屋場所の2週間延期、月またぎでの日程を決議した。本場所は過去、江戸時代に疫病で中止になった歴史はある。昭和以降では戦時中の空襲や昭和天皇崩御で延期はあるものの、ウイルスまん延で本場所の延期は例がない。
史上初の無観客となった春場所は協会員に1人の感染者も出さず乗り切った。今回はさらに状況が悪化し異常事態。八角理事長(元横綱北勝海)は会見し「通常開催を目指しながら、縮小開催か無観客、中止を含め、柔軟に対応していく。再び変更の可能性があることをはっきりと申し上げたい」と説明した。
政府が緊急事態宣言を出した場合に関し、芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「無観客、縮小した状況にはなりえないと考えている」と見解を述べ、中止が現実味を帯びる。同宣言が出れば緊急理事会を開き、「方向性を決める」とした。
4月27日に番付発表は予定通り行うものの、場所に向けた行事ごと、4日から発売予定だった入場券、開催可否を判断するリミットなどすべてが不透明。「開催に向けて進めていくが、現状では雲をつかむ状況」と芝田山部長は苦悩。プロ野球、Jリーグなど他のプロ競技の状況も見て対応するしかない。
協会員には春場所後も不要不急の外出は禁止するよう伝達されている。夏場所まで51日もの長期となり、しかも開催すら不透明。異例の調整となる力士に対し八角理事長は「普段とは違う状況下で稽古し精進していってほしい」と求めた。