日本相撲協会が仕事納め 今年も暴力問題が続発

 日本相撲協会が27日、今年の仕事納めを迎えた。3年連続で年6場所、90日間、満員御礼を記録。納会の冒頭で八角理事長(元横綱北勝海)があいさつし、「皆さん、お疲れさまでした。(16年九州場所4日目から)262日間、満員御礼が続き、(来年の)1月場所のチケットも完売しているけど皆さんの支えとともに、これからも継続していきたい」と、協会員に感謝と今後の継続を願った。

 今年は1月の初場所で19年ぶり日本出身横綱の稀勢の里(現荒磯親方)が無念の現役引退。23歳の若き貴景勝(千賀ノ浦)が大関に昇進するなど世代交代を印象付けた。

 一方で唯一、2度優勝した34歳の横綱白鵬(宮城野)が健在ぶりをアピール。芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「貴景勝は大関に昇進した。(右膝負傷し)相撲を取らずに陥落して復活はしたけどケガの影響が尾を引いているかな。白鵬は休場はあったけど水平飛行している。鶴竜、大関陣はもう一つしっくり来ていない。栃ノ心も(大関から平幕に)落ちてしまった。豪栄道も高安もどこにいるんだというね」と、上位陣の奮起を求めた。

 新戦力では御嶽海(出羽海)とともにやはり新関脇朝乃山(高砂)が飛躍。令和と元号が改まり、初の本場所となった5月の夏場所で初優勝。米トランプ大統領から土俵の上で表彰される栄誉で世界中にニュースが配信された。「語り続けられるというのかな、歴史の中で印象深い場所になってくるということ」と称賛した。

 前人未到43度目の優勝の白鵬には品格問題も再び持ち上がった。九州場所で張り差し、かち上げを連発。遠藤戦ではエルボーのように肘をぶつけ、遠藤を“流血KO”した。

 横綱審議委員会(横審)から「見苦しい」など批判の声が殺到。協会に対し、注意を与えるよう求められた。この件に関し、芝田山親方(元横綱大乃国)は「協会としては何も言えない。ルール違反しているわけじゃないから。あの肘は何だと本人を呼んでは言えない。反則でも何でもない」と“擁護”。逆に無策の対戦相手に対し首をかしげ、「気迫を持ってほしい。やられたらやり返す気持ちを持って」と訴えた。

 さらに「横審から(意見が)出たら協会とは別に横審から伝えるしかない」と横審が白鵬を呼び出し、注意を与える案を示した。

 土俵以外では今年も暴力問題が続発した。元十両貴ノ富士が付け人への暴行を再び起こし、引退。呼び出し最高位の立呼び出しの拓郎は後輩呼び出しをたたき、退職となった。

 芝田山親方は「一生懸命取り組んでいる。暴力やいじめはやったらいけない。でも、起きた時にどうするかを考えて作業していかないと。細かく決めごとをしているから対応が迅速になってきた」と、再発防止策など協会の取り組みを強調した。

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