高橋大輔からの花束に「ちょっと泣きそうに」約20年指導した長光歌子コーチ
「フィギュアスケート・全日本選手権」(22日、代々木第一体育館)
男子フリーが行われ、来季からアイスダンスに転向するため今大会がシングル最後の出場となる高橋大輔(33)=関大KFSC=は、フリー138・36点、SPとの合計では204・31点だった。高橋を中学時代から指導し続けてきた長光歌子コーチは、得点を待つ「キスアンドクライ」で高橋から白い花束を贈られた。
まな弟子と感無量で抱き合い、「私が何か用意しようかと思ったら、大輔から花束をもらった。長い間ありがとうございましたと言われ、うれしくてちょっと泣きそうになった」と語った。
高橋を自宅に下宿させて実の親子のように暮らした時間も長かった。高橋が故障に苦しんだ時期も常に寄り添い、2年前に現役復帰してからは再び指導。師弟関係は約20年となる。
「(復帰した)去年で引退した方がいいと思った時期もあったが、今日の会場でお客さんが喜んでくれているのを見て、やってよかったなと思った」と同コーチ。高橋の演技中は「途中が足が動かなくなって、そっちの方が心配だった。何とか最後まで滑り切ってと思っていた」と心配が先に立った。シングル引退には「まだ実感がわかない。これから分かってくるのかも」と言い、アイスダンスへ転向するまな弟子に対して「これからも輝いてほしい」と願っていた。