高安 婚約者・杜このみの前で8勝17敗 左肘不安も「優勝争い絡む」

 「大相撲九州場所」(10日初日、福岡国際センター)

 前日、婚約発表会見した大関高安(29)=田子ノ浦=が1日、福岡県大野城市で二所ノ関一門の連合稽古に参加し、計8勝17敗と精彩を欠いた。

 左肘の負傷で先場所を全休。その患部にはサポーターがまかれ、万全ではなく時折、顔をしかめた。婚約者で演歌歌手の杜このみが見守る前で必死に食らい付く姿を見せた。

 まずは一門外から出稽古に来た大関豪栄道(境川)と三番稽古。最初の一番、いきなり左肘を一瞬極(き)められてヒヤリ。その後も相手の素早い踏み込みに圧倒され、終始、後手に回り、1勝9敗と圧倒された。

 「消化不良だった」と、稽古を“おかわり”。幕内友風(尾車)には何とか攻勢に出て4勝2敗。ただ、最後は幕内阿武咲(阿武松)に3勝6敗と負け越し。不安を残した。

 「(豪栄道相手に)なかなか思うように取れなかった。自分の形になれなかった。相手十分が多かった。そこは反省したい。(当たりが)まだしっくり来ていない。できないなりに番数を取るしかない」と課題を痛感。

 肘の状態には「ボチボチ。8、9割くらい。恐怖心がある。それを初日までに取り除いて、全力で取れるようにやりたい。やはり左腕に力が入らない。ケガする前に比べて力が落ちている。その辺は練り上げていって不安を払しょくして初日を迎えられるように」と前を向いた。

 稽古場に集まったファンからは「おめでとう」と婚約を祝福された。「また気持ちを切り替えて場所へ向け気を高めていきたい。たくさん激励をいただきました。これを励みにして力にして頑張りたい」と力を込めた。

 まずは3度目のカド番、そして、大みそかの紅白歌合戦出場を目指す婚約者のためにも、自身が弾みを付けたい。「千秋楽まで優勝争いに絡めるようにやりたい」と誓った。

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