まだ溝深く…小池都知事「イエスといえば?」、コーツ委員長「スピーチしたければどうぞ」

 20年東京五輪のマラソン・競歩会場の札幌への移転を協議する国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会は最終日を迎え、IOCのジョン・コーツ調整委員長、組織委の森喜朗会長、小池百合子都知事、橋本聖子五輪相による4者会議が1日、都内で行われ、札幌移転が正式に決定した。事前協議なしに強行移転を決めたIOC、受け入れた組織委に反発を強めていた小池知事は、最後まで同意はせず。開催都市の首長の同意がないまま、競技会場が変更されるという前代未聞の決定となった。小池知事は「東京都として同意することはできないが、最終権限を有するIOCの決定を妨げることはしない。あえていうなら合意なき決定であります」と不満をにじませながら表明した。

 会議もどこかギクシャクした空気が漂った。決定についてコーツ委員長からコメントを求められた小池知事は「イエスといえばいいんですか?」と皮肉を込めて話すと、コーツ委員長は「スピーチしたければどうぞ」と返答。今回の件で深まった溝が埋まりきっていないことを感じさせた。森会長も小池知事が受け入れたことについて「大変な決断。敬意を表したい」とした上で「“合意なき決定”というのは欧州で流行った言葉ですが、ここにはまるかどうか」と、チクリと言った。

 森会長は「“ONE TEAM”を構成して来年の五輪に向かいたい」と話したが、今後に向けて不安を残した。

 31日に行われた実務者協議で、IOC、組織委員会などは発生する100億円とも言われる追加費用について都の負担を求めないことを確認し、都側も五輪開幕まで残り9カ月と時間がないことなどから、受け入れざるを得なかった。

 実務者協議で合意したのは次の4点。

 1会場変更の最終権限はIOCにある

 2マラソン、競歩を札幌に移転する際の経費は東京都に負担させない

 3東京都、組織委員会が支出してきたマラソン、競歩の経費を精査、検証の上、別の目的に使用できないものは東京都に負担させない

 4マラソン、競歩以外の競技会場の変更はしない

 また、小池知事はIOCのトマス・バッハ会長から、東京五輪で使用する予定だったコースを利用して五輪後に「オリンピックセレブレーションマラソン」を開催することを提案されたことを明かした。

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