抗議受け入れ過ぎで混乱 世界陸上異例の繰り上げ銅メダル連発 とばっちり中国激怒

 「陸上・世界選手権」(2日、ドーハ)

 2日に決勝が行われた男子110メートル障害と、男子ハンマー投げで、競技後の抗議により、記録が違うにも関わらず、銅メダルが2人になるという前代未聞の珍事が立て続けに起こった。

 男子110メートル決勝では、13秒30で5位だったオルランド・オルテガ(スペイン)が3位に繰り上がった。レース中に隣のレーンを走っていたリオ五輪金メダリストのマクレオドがバランスを崩して転倒。その際にオルテガの進路を邪魔する形となっていた。

 国際陸連によると、スペイン側は進路妨害を主張。決勝の再レース、もしくは単独での再レースの結果で判断することを求め、受け入れられない場合は妨害を受けた位置によって、順位を決めるように要求。審判団の協議の結果、スペイン側の主張を認められ、妨害の時点でオルテガは3位だったとして、銅メダルが与えられることになった。13秒18で3位だったマルティノラガルド(フランス)は、そのまま3位で、記録違いの2人の銅メダリストが誕生する異例の事態となった。

 ただ、これにより、13秒29で4位だった謝文駿(中国)が5位に。銅メダリストよりも記録が上位にも関わらず、順位を下げられるという仕打ちに、中国チームが激怒。国際陸連の決定に「恣意的で、IAAFの規定に基づいておらず、歴史上前例がない」と抗議。4位を維持するように要求し、賞金と世界ランクのポイントも4位のものにするように求めたが、却下された。

 男子ハンマー投げでは78メートル18を投げたベンツェ・ハラス(ハンガリー)と、77メートル69のボイチェフ・ノビツキ(ポーランド)がともに銅メダルとなった。

 ハラスは1投目で78メートル18を投げたが、試合後、ポーランド側はハラスがサークルの外側の地面に触れたと主張。審判団がビデオで確認したところ事実が確認され、ノビツキに銅メダルが与えられることになった。一方で1投目の記録がハラスの2投目以降に影響したと判断し、公平性を考慮し両者に銅メダルを与える裁定を下した。

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