テコンドー協会と全面対決の江畑「夜道が怖い」 金原会長は反社交際報道に「事実無根」

 多数の選手が強化合宿を“ボイコット”するなど強化体制のあり方を巡って対立が鮮明化している全日本テコンドー協会が1日、都内で協議会を開催。幹部、選手、所属関係者ら約40人が出席して意見交換を行ったが、ほとんどの選手が途中退席するなど話し合いは決裂した。

 選手側はかねて、所属の指導コーチとは別の代表コーチが試合のセコンドに入るといった強化体制に疑問を抱えており、今年6月に「意見書」として提出した。協会は先月18日になってようやく回答書を公表。しかし、先月末に国際機関であるワールドテコンドー(WT)から今回の騒動について事情を聞かれた際、選手にヒアリングした上で「選手からの不満はない。選手らは困惑していない」と答えていたことが判明し、対立がより深刻化した。

 男子80キロ級の江畑秀範(27)=スチールエンジ=は「信頼関係がないのに今後の強化プランの話を聞いても意味がない」と途中退席したことを明かし、「この体制にはついていけない。選手は協会への信頼がないし、この現状が続くなら、東京五輪も近いので自分たちでしっかり頑張って切り替えるしか道はないんじゃないか」と憤りをあらわにした。

 江畑はこの騒動が明るみに出て以降、リスクを承知で各メディアに顔と実名をさらして協会の問題点を訴えているが、「怖いですよ。正直、夜道を歩くのが怖いです」と“報復”への不安があることを吐露。以前から「強化選手から外すぞ」「お前にどれだけのお金がかかっているかわかっているのか」などと協会幹部から圧力を掛けられていたという。

 「このまま体制が変わらなければ除名対象になるんじゃないか」と戦々恐々としつつも、「人間として後悔したくない。テコンドーを通して日本を盛り上げたい」と“決死”の覚悟で環境改善を訴える姿勢を改めて示した。

 一方、協議会後に会見した金原会長は「強化委員と選手とのコミュニケーション不足。今日は選手の声もしっかり聞けて、有意義な議論ができた」と受け止めつつ、体制の刷新には消極的だった。

 また、一部報道で反社会的勢力との交際が取りざたされたことについて聞かれると、「決してありません。そういうイメージ付けをされて、気分は良くないですよ」と不快感を示した。さらに、協会内で“恐怖政治”を敷いているとの一部報道についても、「理事会での私の位置づけや、鶴の一声で決まるとか、そういうことはあり得ない」と全面的に否定。会議の中でも「報道は事実無根」と強調していたという。

 協会は今後、この日の話し合いで出た選手の意見をもとに、8日の理事会で改善案を審議する。

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