白鵬翔で日本国籍取得「やっと正式に」声震えた日本人第一声 親方になるため決断

 稽古後、宮城野部屋の前で報道陣の取材に応じる白鵬
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 モンゴル出身で史上最多42度の優勝を誇る大相撲の横綱白鵬(34)=宮城野=が日本国籍を取得し、3日付の官報で告示された。日本名は「白鵬翔」。外国出身横綱では曙、武蔵丸(現武蔵川親方)=米国出身=に次いで3人目の日本国籍取得になる。これで現役引退後に親方となる資格を獲得し、将来的には独立して師匠となる意向。功績顕著な力士として一代年寄が認められる可能性もある。優勝20度以上が一つの目安で、実績面では申し分ない。朝稽古後、取材に応じた白鵬は両国への愛を語った。

 喜び、祖国への思い、さまざまな感情が湧いた。朝稽古を終え、白鵬の“日本人第一声”は声が震えていた。

 「やっと正式に本日をもって『白鵬翔』という名前で日本人として日本国籍を確保することになりました」

 来日時「痩せっぽち」だった15歳。そこから「18年間、相撲一筋でやってきた」。07年夏場所後に第69代横綱に昇進。史上最多の優勝42度、通算1132勝の大横綱になった。

 日本人の紗代子夫人との間に1男3女。日本で栄光をつかみ、「親方になりたい」と、何度も口にしてきた。

 ネックは年寄株取得に必要な日本国籍だった。昨年4月に亡くなった父ムンフバトさんはメキシコ五輪のレスリングでモンゴル初メダルとなる銀メダルを獲り、モンゴル相撲で6度横綱に君臨。父子で同国民栄誉賞「労働英雄賞」を授与されている。そんな国民の宝が日本人となることにモンゴル国民から批判も多かった。心ない声に白鵬も心を痛めた。

 後押ししたのは父だ。亡くなる前、「我が道を行け」と伝え、愛息の迷いを断った。

 6月にモンゴル国籍離脱が承認され、9月3日、晴れて日本人に。「自分の国を愛しているから日本を愛せる。両親、兄弟を愛しているからこの国の人々を愛せる」と、両国へ不変の愛を語った。

 父は64年、東京五輪に出場した。来夏、天国の父とともに東京五輪を迎えるのが夢。横綱土俵入りを日本人として披露することがあるなら最高の幸せだ。

 親方となることを見据えすでに幕内石浦、炎鵬ら“内弟子”を獲得。「強い相撲取りを育てて恩返し」と誓った。今後は過去の大横綱、大鵬、北の湖、千代の富士(辞退)、貴乃花に続く一代年寄が贈られる可能性もある。「これからは日本人として恥じないように。2つの国が背中にのしかかってくる」と決意をにじませた。

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