卓球元日本代表・浜本由惟がオーストリアに移籍 国籍変更で28年ロス五輪挑戦も

 卓球女子元日本代表の浜本由惟(20)=木下グループ=がオーストリア協会に正式に移籍し、2028年ロサンゼルス五輪出場を目指す見込みであることが1日、明らかになった。都内で行われた日本協会の理事会後に、宮崎義仁強化本部長が報告した。

 浜本は16年世界選手権団体戦に出場したこともある元日本代表で、17年度までは日本協会の強化指定選手だった。昨年11月を最後にツアー大会には出ていなかったが、今春になって突如オーストリア所属としてツアー大会にエントリーし、5月のクロアチア・オープン、スロベニア・オープンに出場していた。

 事前に何も報告を受けていなかった日本協会が4月に所属を通じて事情聴取を行ったところ、2年ほど前から知人を通じて移籍のオファーがあったといい、浜本の母が「(日本で)代表になるのが厳しい状況なので(活路を)海外に求めた」と、五輪出場への強い意欲が移籍の理由と説明したという。5月の報告では浜本本人も同様に認めた。現在はオーストリアに居住しており、国籍変更の手続きも進めているという。

 ただ、国際卓球連盟(ITTF)の規定では、18歳以上21歳未満の選手が所属協会を移籍した場合、7年間は世界選手権には出られない(通常ツアーには出場可能)。五輪出場規定もITTFのルールにのっとることになっており、5月23日付でオーストリアへの移籍が認定された浜本の出場制限は26年5月に解除されるため、挑戦できるのは最短でも28年ロサンゼルス五輪となる。

 浜本側がこのルールを正確に把握していたのかは不明だが、日本協会からはITTFの規定をコピーしたものを所属を通じて渡したものの、移籍の意向は変わらなかったという。エリートアカデミー所属時代に浜本を指導していたこともある宮崎強化本部長は、困惑しつつも「アスリートとして五輪、世界選手権を目指すのは当然のこと」と理解を示し、「(日本協会として)支援はできないが、見守っていきたい。『しっかり頑張れよ』という気持ち」と話した。

 また、日本協会に籍は残らないが、浜本が申請すれば本籍地の都道府県から「外国籍選手」として登録が可能で、全日本社会人選手権や団体戦には出場できることが理事会で承認された。Tリーグへの出場には支障がないという。

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