大相撲夏場所で初優勝を果たした平幕朝乃山（２５）＝高砂＝が３１日、地元・富山市に凱旋し、地元メディアの取材に応じた。富山出身では名横綱太刀山以来１０３年ぶり優勝をもたらしたヒーローにカメラ１０台、記者３０人が駆け付けた。

　パニックを警戒してか、朝乃山は富山駅に降り立つと、警察官２人に誘導され駅を出た。市役所前に「祝　初優勝　朝乃山関」の垂れ幕が掲げられ、会った人からは「優勝おめでとう」と祝福。「優勝したんだな」と、改めて実感した。

　１０３年ぶり県が民の期待に応えた。「夏場所は自分の攻める相撲が貫けた。上を目指して頑張りたい。名古屋場所（７月７日初日、ドルフィンズアリーナ）が本当に正念場」と気を引き締めた。

　地元ではやはり食事が楽しみ。「何かとりあえず食べたい。東京では味わえないのはご飯。水もおいしい」と話した。

　トランプ米大統領から「アメリカ合衆国大統領杯」を授与される栄誉。「世界にも自分が朝乃山と知ってもらえるように覚えて欲しかった。うれしい」と、笑みを浮かべた。

　今回の帰郷の目的は取材対応に加え、富山商相撲部時代の恩師で１７年１月に亡くなった浦山英樹監督の墓前に優勝を報告すること。「先生にはおかげさまで優勝することができました。来場所も稽古に精進して頑張るのでこれからも土俵の上で見守って下さいと言いたい」と、うなずいた。