体操界襲った内村ショック 衝撃の予選落ちに悲鳴「信じられない」「体操の怖さ」

 「体操・全日本選手権」(26日、高崎アリーナ)

 男子予選が行われ、12年ロンドン五輪、16年リオデジャネイロ五輪で個人総合2連覇の内村航平(30)=リンガーハット=が、80・232点の37位でまさかの予選落ちに終わり、世界選手権代表入りが絶望的になった。絶対王者として君臨してきた大黒柱のまさかの不振に、他の選手、関係者にも衝撃が走った。

 誰もがまさか-、だった。予選突破の懸かっていた最終種目の鉄棒。内村がマットにはいつくばる形の着地になると、観客席からは悲鳴と落胆の声が上がった。

 予選を見届けて、報道陣に対応した水鳥寿思男子強化本部長は「なかなか思うように通し練習ができていなかった。練習から苦しい戦いになるかなという予想はしていた。(個人総合枠の)3枠に入れないということはあるかなと思っていた」と冬場の練習から不安があったことを認めながら、「徐々に技を抜いて、(難度を)落としていっていた。ただ、このレベル(の構成)なら今までの経験と強さで何とかしてくれるんじゃないかと見ていた。信じられない。ここまで崩れるのはちょっと予想外」と、困惑した様子で話した。現状では東京五輪の前哨戦の位置付けとなる10月の世界選手権は内村不在となることが濃厚。「まだ(代表の)5人が決まったわけではないが、全体として強くなるチャンス。この状況でやるしかない」と、覚悟したように話した。

 プロ転向以降、内村とコンビを組んできた佐藤コーチも、結果について「予想はしていなかった」と話した。試合中の様子について「全然気持ちが入っていなかった。跳馬の時点で気持ちがきれていた」という。今後に向けて「一旦リセットして痛いところを治して、来年に向けて上げていくしかない。精神的にもまだレベルを上げていける」と、必死に前を向いた。

 連覇に向け、首位通過を谷川翔(順大)は「内村さんがあん馬、平行棒、鉄棒で失敗する瞬間を見た。こういうこともあるんだなと思った。あの内村さんが…。体操競技の怖さを知った」と、神妙な表情。決勝に向け「学ぶものがある。自分もどうなるか分からない」と、気を引き締めた。

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