内村航平 全日本予選落ちで「東京五輪は夢物語」「終わったなって感じです」

 予選を終えて、さえない表情を見せる内村航平(撮影・堀内翔)
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 「体操・全日本選手権」(26日、高崎アリーナ)

 男子予選が行われ、12年ロンドン五輪、16年リオデジャネイロ五輪で個人総合2連覇の内村航平(30)=リンガーハット=が、80・232点の37位でまさかの予選落ちに終わり、世界選手権代表入りが絶望的になった。演技後は「東京五輪は夢物語。このままじゃ無理」と苦しい状況を物語る発言が続いた。

 両肩に不安を抱えていた内村は精彩を欠き、平行棒で左肩の状態を悪化させた。最後の鉄棒まで演技したが、決勝進出ラインの30位には届かなかった。

 演技後は「練習通り。練習でできなかったことは試合でできない」と振り返った。今年の世界選手権代表入りが極めて難しくなったのは当然としても、「東京五輪は夢物語。このままじゃ無理。なんとかしたいけど、何をしたらいいのか分からない」と2020年について厳しい言葉を並べた。今季の代表戦線に限っても「かなりゼロに近い。ゼロじゃないけど、10もない。1年間が終わったなという感覚でいる。諦めたくはないけど」と口にした。

 「練習から気持ちを高めてもできない。意味が分からない感覚になっている。そこが改善できれば東京五輪は見えるかもしれないが、まあ厳しいでしょうね」とも話した内村。「(今大会は)今後には繋がらない。何にも繋がらない。終わったなって感じです」と現状を見つめた。

 内村は最初の種目の床でラインオーバーすると、続くあん馬では移動技で落下し12・500点に終わった。前半の3種目が終わった時点で2班の中で30位と、予選通過ラインの30位以内すら危ぶまれる状況だった。

 4種目目の跳馬では、足がマット下まで出てしまうラインオーバー。5種目目の平行棒では離れ技から腕でバーを受け止めた際に痛めていた左肩を悪化させ、落下。苦悶の表情を浮かべた。最後の鉄棒にも出場。コバチ、カッシーナ、コールマンと離れ技を決めたが、最後の着地を決められなかった。

 1、2月の中国との合同合宿後から左肩痛を発症。その後、右肩にも痛みが出たという。「最低限の準備はしてきたが、ギリギリの状態」。「まあ首から下は全部痛いようなものなので。自分の演技ができれば結果はついてくるはず」と話していたが、状態は想定よりも深刻だった。

 世界選手権(10月・ドイツ、シュツットガルト)も絶望的となった。今大会の予選、決勝、5月のNHK杯までの成績で個人総合枠3人が決定。NHK杯に進めない内村は個人総合での代表入りは消えた。

 残る2人は6月の全日本種目別までの団体貢献度で決定する。内村は昨年の世界選手権鉄棒の銀メダルで、種目別出場は決めているが、08年北京五輪から11大会続けてきた世界大会出場は、極めて厳しい状況となった。

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