貴景勝、大関へ 孝行星に両親歓喜 父・一哉さん「やったー」

 父・一哉さん(左)、母・純子さん(右)と記念撮影する貴景勝
2枚

 「大相撲春場所・千秋楽」(24日、エディオンアリーナ大阪)

 世紀の“大関入れ替え戦”は関脇貴景勝(22)=千賀ノ浦=が制し、大関昇進を決めた。かど番大関の栃ノ心(春日野)を押し出し10勝目。三役で3場所計34勝に到達し、昇進目安の同33勝を上回った。力強い突き押し相撲で1横綱、2大関を倒した内容も評価。全取組終了後、審判部が昇進を諮る臨時理事会の開催を八角理事長(元横綱北勝海)に要請し了承された。27日に開かれる夏場所(5月12日初日、両国国技館)番付編成会議と同理事会で新大関が正式に誕生する。

 貴景勝が勝った瞬間、会場で見守った父・一哉さん(57)は「やったー」と両拳を突き上げて喜びを爆発させた。母・純子さん(52)は今場所、10回以上は観戦。「見たくないけど見ないと後悔する」と、一人息子が苦しみ抜いてつかんだ栄光に感無量だった。

 実は今場所、父が観戦した取組は4度とも敗戦していた。この日は砂かぶり席のチケットは親類に譲り、4階の自由席から立って観戦。「俺が目に入ったら負ける。だから高みの見物やね」と、勝利をひたすら祈った。

 取組後、両親が見ていたことを知らされた貴景勝は「どこにおったん?4階!?」とビックリ。「情けない子供やったけど、最後に勝てて良かった」と、胸をなで下ろした。千秋楽パーティー会場ではめったに褒めない父から「ようやった」とねぎらわれた。

 高級住宅街で知られる芦屋市出身で一人っ子の“お坊ちゃま”。幼稚園で塾を7個掛け持ちし、超進学校の西宮市・仁川学院小に合格。同小OBには東大進学、医者、弁護士がずらりと並ぶ。

 貴景勝自身、小2時、全国模試で3位に入ったこともある。その秀才が小3で相撲一本に転向し、父子鷹で角界の頂点を目指した。地獄のメシのかわいがりで1年20キロ増量。ぶつかり稽古はぶっ倒れるまで終わらなかった。父は「新しい元号の新大関。まだ伸び盛り。22歳で大関はほとんどが横綱」と、さらに上を期待した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス