貴景勝「まさかできるとは」先代師匠・貴乃花親方にも捧げる初優勝

 優勝を果たし、インタビューを受ける貴景勝(右)=撮影・中田匡峻
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 「大相撲九州場所・千秋楽」(25日、福岡国際センター)

 小結貴景勝(千賀ノ浦)が初優勝を飾った。

 千秋楽で前頭三枚目錦木(伊勢ノ海)を破り、自己最多の13勝目。2敗で並んでいた大関高安(田子ノ浦)が、結びの一番で関脇御嶽海(出羽海)に黒星。この瞬間、貴景勝が小結では2000年夏場所の魁皇以来の優勝となった。

 支度部屋で優勝決定戦に備えていた貴景勝は高安の一番が中継されているモニターに背を向け、その瞬間を迎えた。付き人に初優勝が決まったことを伝えられ、安どの表情。同部屋の貴ノ岩と握手をかわした。

 優勝インタビューでは「まさかできるとは思わなかった。日々、毎日の相撲を取り切れて良かったと思います」と安ど。モニターに背を向けていた心境を問われ、「決定戦になると思って最初から準備しました。その中で決まって、良かったと思います」と語った。

 優勝決定の瞬間は「少し頭を整理するのに時間がかかりましたけど、徐々に喜びが上がってきました」という。前日に高安に敗れたが、プレッシャーにも打ち勝った。「昨日の夜から自分とどう向き合っていくか、弱い自分が出そうに何回もなりましたが、あきらめずにやってきて良かった」と振り返った。

 場所前に貴乃花部屋が消滅し、千賀ノ浦部屋に転籍。環境の変化については「場所前からいい稽古ができましたし、新しい部屋でも一生懸命がんばることがつながると思い、日々やってきました。白星黒星を考えず、内容を求めて相撲を取ったので、それが良かったが分からないが、白星を挙げられて良かった」と充実の表情。入門以来、相撲道のすべてを教わってきた先代師匠・貴乃花親方への“恩返し”となる初優勝を果たした。

 来場所以降は大関も視野に入ってくる。「来場所、成績を残せなかったらダメ。たがを締めて一日一日頑張って、黒星につながってもしっかり自分の相撲を取りきりたい」と語り、館内から大きな拍手を浴びた。

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