演技者引退の“氷上の哲学者”町田樹氏が映画に字幕監修&学術協力参加

 フィギュアスケートのソチ五輪代表で、10月にプロスケーターを引退した町田樹氏(28)が2019年初夏に公開される予定の映画「氷上の王、ジョン・カリー」の字幕監修と学術協力として参加することが6日、分かった。

 同映画は「スケート界のヌレエフ」と評され、アイススケートをメジャースポーツ、さらに芸術の領域にまで押し上げたとされる英国の金メダリスト、ジョン・カリーのドキュメンタリー。

 町田氏は「ジョン・カリーは、ともすれば『男が華やかに踊るなんてみっともない』と揶揄されるような時代に、芸術としてのフィギュアスケートをその生涯をもって追求し続けた孤高のスケーターである。この映画では、貴重な映像資料や身近にいた者の生の証言によって、様々な困難に抗いながらもアーティストとして生き抜いたカリーの人生を、彼が紡いできた珠玉の作品群と共に色鮮やかに甦えらせていく。だが一方で、私はその華やかな舞台の裏で彼が一人抱えていた葛藤を目の当たりにした時、このスポーツを取り巻く諸問題が、未だ根本的に解決されていないことに愕然とするのである。私たちは、今もなお多くのスケーターがカリーと同じような芸術上の葛藤を抱えて氷上に立っていることを、決して忘れてはいけない」と、独特の“町田節”溢れるコメントを寄せた。

 2015年に競技者を引退した町田氏は、その後、プロスケーターとして、独特のプログラムを発表し続けていたが、今年4月から慶大と法大で非常勤講師として務めはじめ、博士号取得も目指していく中で「夢は大学教員。この辺でキャリアを大学院1本に絞って頑張っていこうと思った」と、演技者としての引退を発表。研究者を目指す中でフィギュアスケートには携わっていく意向で「サヨナラは言いません。パフォーマーとしては完全に引退しますが、今後は研究者として何らかの形で必ずフィギュアスケートに貢献していく」と、誓っていた。

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