悪質タックル問題 日大・大塚学長が緊急会見で謝罪 宮川選手「追い込んでしまった」

会見する日本大学・大塚吉兵衛学長=千代田区の日本大学会館(撮影・棚橋慶太)
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 日本大学は25日、悪質なタックル問題を起こしたアメリカンフットボール部について、都内の日大本部で大塚吉兵衛学長が会見を開いた。

 「お集まりいただき有難うございます」と切り出したあと、「関学との定期戦におきまして、本学の所属部員があってはならない危険な行為、反則と言うことで、怪我をさせてしまったことに対し、本学の長であります私も非常に責任を感じております」とし、「被害選手、保護者、関西学院大関係者には謝っても謝りきれない」と謝罪した。

 また、宮川選手がひとりで会見したことにも触れ、「特に当該の選手をひとり記者会見に立たせ、追い込んでしまったことに責任を痛感している」と神妙な面持ちで語った。対応が遅れたことについて「部と部の文書のやり取りに合わせてしまった。『そちらでよろしくお願いします』と、すませてしまったことは責任を感じる」とした。

 報道陣からは、大学の問題に対する姿勢についても問われた。22日の宮川選手の会見、23日に行われた内田前監督、井上コーチの会見、それぞれの感想を問われ、「選手諸君、当該の学生については真摯に自分で語るべきことを述べていた」と語る一方で、「監督コーチの話には齟齬(そご)がある。第三者委員会、連盟、訴えられている流れもある、両方に対するコメントは控えたい」とした。

 内田前監督が入院中であることを認め、「細かいことは承知していない。食事がのどを通らない。点滴を受けてこの場(会見)に臨んだ。その後は会っていません。関係病院の中にいるとは思います」と明かした。

 また、田中理事長の会見の必要性を問われ「今回の事案に対して?どこまで必要かどうか、判断しかねる。私が責任者。それ以上のところはないのが実情です」と、否定的だった。

 この問題では22日に、タックルを実際に実行した選手が会見を開き、井上奨コーチを通じて、内田正人前監督から相手QBを負傷させる目的で「潰せ」という指示を受けたと告白した。23日には内田前監督、井上コーチが会見し、井上コーチは「潰せ」という発言はしたが、負傷させろという意図はなかったと説明。内田前監督もけがを負わせる目的の指示は出していないとし、両者の言い分が食い違っていた。

 また、内田前監督らの会見では司会を務めた米倉久邦氏の「(日大ブランドは)落ちません」といった発言や態度が話題になったが、この日の学長会見では別の男性が司会を務めた。

 会見冒頭、司会の男性が説明をしているところで、最前列に座っていた高齢の女性が「そんなまどろっこしいことをしている場合じゃないんだ」と悪態をつきながら立ち上がり、関係者に両脇を抱えられて退場する一幕があった。

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