稀勢の里、出稽古で栃ノ心に2勝9敗 ショック隠せず…舞の海氏「やめた方がいい」

 「大相撲夏場所」(13日初日、両国国技館)

 左大胸筋負傷などで6場所連続休場から再起を期す横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦=が4日、都内の春日野部屋に出稽古し、関脇栃ノ心(30)=春日野=に2勝9敗と完敗した。3日の横綱審議委員会の稽古総見で2連敗し、リベンジを狙ったが返り討ち。左腕は使えず、力でも圧倒され、2日で復活への自信は打ち砕かれた。視察した元小結で相撲解説者の舞の海秀平氏は夏場所の休場を強く勧めた。

 稀勢の里が3番連続で力なく土俵を割ると、いたわるように稽古は終わった。土俵脇でぼう然と立ち、ショックを隠せなかった。

 前日の雪辱どころか無残な返り討ち。立ち合いの当たりは弱く、左の攻めはおっつけられて封じられた。がっぷり組んで得意の左四つでも力負け。同じように寄り切られ、何度も「あー」と絶叫した。

 本場所で16勝9敗と勝ち越す栃ノ心に2日で2勝11敗。自身が故障で丸1年、6場所連続で休場する間、相手は成長していた。

 「押すことを考えてやったけど、はまらなかった。出足が戻って来れば(番付を)上がって来た昔のようになると思ってやったけど、なかなか。力を出し切れず(栃ノ心に)申し訳ない」と、もどかしい心情を吐露した。

 先場所を全休し、リハビリに専念。途中合流した春巡業でも地道に患部の強化、稽古を重ね、手応えがあったはずだった。それがこの2日で散った。

 見守った舞の海氏は「どうしたらいいか自分でも分からないと思う」と指摘し、出場に関して「やめた方がいい」と断言。「自分のためにも、お客さんのためにも、歴代の横綱のためにも。(歴代横綱は)横綱の権威を守ってきたから」と、出場なら悲惨な結果が待つことを予感した。

 稀勢の里は次の出場場所に進退をかける意向を示している。「やらなきゃいけない」と5日以降も出稽古し、13日の初日を目指す。

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