白鵬沈痛…「親を超える子はいない」父死去…思い語る

 「大相撲春巡業」(10日、伊那市民体育館)

 大相撲の横綱白鵬(33)=宮城野=が10日、春巡業先の長野県伊那市で、9日に76歳で死去した父のジジド・ムンフバト氏について「親を超える子はいない。おやじを見習って頑張っていきたい」と沈痛な面持ちで思いを語った。

 ムンフバト氏はレスリングで1964年東京大会から五輪に5大会連続で出場し、68年メキシコ大会では銀メダルを獲得。モンゴル相撲でも横綱となり国民的英雄だった。「自分が大関、横綱になり、勝って当たり前というプレッシャーを背負うおやじの偉大さを感じた。たくさんの人の先生だった」とかみしめた。

 白鵬によると、ムンフバト氏は昨年10月に肝臓がんが見つかり、日本で治療も行ったが、この1週間ほどで容体が悪化した。白鵬は「15歳で来日する直前まで両親と川の字になって寝ていた」と述懐。思い残したことについて「(2020年)東京五輪の開会式で土俵入りを見せたかった」と無念そうだった。

 10日の巡業では普段通り稽古や取組を行った。「自分に与えられた仕事を全うするという気持ちだった」と気丈に話した。11日に帰国して葬儀に参列し、春巡業には15日から合流する予定。

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