復活Vの鶴竜、横綱としての覚悟「またひとつ自分が成長できた」
「大相撲春場所・千秋楽」(25日、エディオンアリーナ大阪)
14日目に8場所ぶり4度目の優勝を決めた横綱鶴竜(井筒)は千秋楽結びの一番で取り直しの末、大関高安(田子ノ浦)に寄り切りで敗れ、13勝2敗となった。表彰式恒例の土俵下インタビューでは、周囲への感謝を伝えるとともに「またひとつ自分が成長できた。これからももっとできるんだと確証できた」と横綱としての覚悟を示した。
一人横綱で臨んだ今場所。右手の指に痛みを抱えながらも、最高位の責任を果たした。8場所ぶりの賜杯を受け取り、「本当にいろいろな思いがこみ上げてきました。去年一年間つらい時を過ごして、その中でたくさんの人が支えてくれて応援してくれた。僕を信じてくれたすべての人に感謝したい」と思いをかみしめた。
5場所連続休場明けの初場所では11勝で進退問題こそクリアにしたが、終盤の失速で優勝争いからは脱落。今場所前も身体は万全には遠く、右手の拳を握ることもできない状況での出場だった。「ギリギリまで考えて。休むのはつらい、休みたくない。最後はファンの皆さんを喜ばせたい、その一心で出場を決めました」。気力で白星を重ねた。
昨年末から不祥事続きの角界。土俵でいい相撲を取り続けることで信頼を取り戻していくしかない。「ひとつ自分が変わることができた。まだまだ精いっぱい頑張ります」と復活を果たした横綱がファンに約束した。