ロシア平昌五輪除外…国ぐるみドーピング不正許さん!IOC厳罰

 国際オリンピック委員会(IOC)は5日、スイスのローザンヌで理事会を開き、国主導でドーピングの組織的不正があったとしてロシア・オリンピック委員会(ROC)を資格停止とし、来年2月の平昌五輪から同国選手団を除外することを決めた。一方で厳しい条件をクリアして潔白を証明した選手は「ロシアからの五輪選手」として個人資格で参加を容認した。国旗や国歌の使用は認めない。冬季スポーツ大国への厳しい処分に対し、日本のフィギュア陣、アイスホッケー女子代表からは困惑の声が上がった。

 2014年ソチ五輪の不正を独自調査したIOCは証拠を積み上げ、「弱腰」と批判された昨年のリオ五輪に比べて厳しい処分に踏み切った。

 険しい表情で会見に臨んだIOCバッハ会長は、ドーピング問題について「全ての疑惑が裏付けられ(不正に)見合った処分が下せた。五輪に対する前代未聞の攻撃だ」とロシアを非難。「ボイコットは何も生まない」と反発をけん制した。

 IOCはリオ五輪では参加可否の判断を各国際競技連盟に委ね、約280人のロシア代表選手が出場した。今回はリオで揺らいだスポーツの公正さや健全性といった価値を守ることが最優先された。ただ潔白な選手の権利を守ることも重視し、個人資格での出場の道を残した。

 個人資格での参加可否は世界反ドーピング機関(WADA)やIOCの代表者で構成する新設の委員会が決める。違反歴がないことや大会前の検査を受けることが条件となる。

 IOCはROCのジューコフ会長のIOC委員資格を停止し、不正が行われたソチ五輪当時のスポーツ相、ムトコ副首相を五輪から永久追放した。調査費用などとしてROCに計1500万ドル(約17億円)の負担も求めた。

 ソチ五輪を巡っては、ロシアによる組織的な薬物投与や検体すり替えがあったとの疑惑が昨年浮上。WADAが国家主導の不正を認定。同国はソチ五輪で金メダル13個、メダル総数33個を獲得し、ともに国別でトップだったが、IOCが実施した検体の再検査で違反者は25人に上り、金4、銀6、銅1のメダルハク奪が決まっている。

 国旗や国歌の使用禁止は、国主導の不正を許さないというIOCからの強いメッセージとなる。スポーツに国威発揚の色合いが濃いロシアは、不正の大きな代償を払うことになった。

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