千代大龍 阿武咲倒して1差2敗守った 平幕Vの“お宝”狙う“角界のルパン”

 「大相撲秋場所・9日目」(18日、両国国技館)

 平幕千代大龍が1敗トップだった新鋭阿武咲をはたき込みで倒し、2敗を守ってV戦線に残った。勝ち運呼ぶもみあげが特徴の“角界のルパン”が12年夏場所の旭天鵬以来、平幕優勝の“お宝”を狙う。秋場所連覇を目指す大関豪栄道が碧山を突き落とし勝ち越しを決め、かど番を脱出。唯一1敗をキープし単独トップに立った。2敗で千代大龍、阿武咲のほか貴ノ岩、大翔丸の4人が続く。

 新鋭の勢いをまるごと刈り取った。千代大龍は右張り、左をかち上げ、190キロの体でもろにぶちかまし。腰の重い阿武咲をのけ反らせ後退させた。左右で5発の突きを追い打つと、すかさず右に開いてはたき込んだ。

 阿武咲と好相性の千代丸の映像を何度も見た。攻略法は「2、3発で引く」。相手の体を起こしてから素早い変化。これぞ本名の明月院から命名された必殺「明月院スペシャル(MSP)」の切れ味。ためらいなく引き技を出す「勝てる相撲」が若さを上回った。

 勝ち運を呼ぶのがもみあげ。大阪のファンから「もみあげが長い時の勝率はめっちゃいい」と教えられた。先場所も10勝を挙げて、まだ伸び放題。「子供の幼稚園のイベントがあればそる」とこだわりはないものの、今やあごひげとつながり顔を一周しそう。“角界のルパン”の“お宝”はもちろん賜杯だ。

 勝ち越しに王手をかけ2敗を守り、トップと1差をキープ。「優勝争い?顔じゃない」と謙遜するが、「勝ち越したらもっと思い切って取れる。11番勝ったら考えます」と、爆発力は十分ある。

 今場所前は週4で1キロのステーキ肉を食べまくり体重13キロ増に成功。「苦しいですよ。味が同じだから」と、稽古と“食トレ”で最強の“ビッグ・ドラゴン”を作り上げた。

 14年秋場所以来の三役も見える。「(来場所は)横綱、大関が全員集合だからこてんぱんにされる」と自虐の笑い。「久しぶりに(NHKの)勝ち越しインタビューに出たい。自分をアピールしたい」とニヤリ。横綱・大関5人不在の異常事態場所で、豪放で冗舌なエンターテイナーがノリノリだ。

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