フィギュア 羽生 得意のトリプルアクセルは“万一の備え”に

フリー「SEIMEI」に合わせポーズを決める羽生結弦
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 フィギュアスケートの世界王者、羽生結弦(22)=ANA=が8日(日本時間9日)、拠点とするカナダのトロントで練習を公開し、平昌五輪シーズンのフリーは15-16年シーズンでも使用した「SEIMEI」で挑むと明かした。

 同じ曲だが中身は違う。フリー219・48点という当時の歴代最高得点を記録した15年GPファイナルでは、4回転がサルコー、トーループ2回の2種類3度だったが、今回は基礎点が1・1倍となる後半3本を含む3種類5本の構成を予定しているという。

 「いまのイメージは最初に(4回転)ループ(4回転)サルコーを跳んで、その後トリプルフリップを前半に。スピン、ステップをして、後半1発目に4回転サルコー-3回転トーループのコンビネーション。その後4回転トーループ・シングルループ・3回転サルコーのコンビネーションと、ちょっとしたステップから4回転トーループを跳ぶつもりでいます。後半最後の構成は、(3回転)アクセルのコンビネーションをイーグルから跳んでイーグルで締めて、最後はリカバリーでアクセル跳んでもいいし、普通であればトリプルルッツを」。羽生はまるで呪文を唱えるかのように説明した。

 昨季からの大きな変化は、トリプルアクセルを1本に減らし、4回転トーループを2本に増やしたこと。羽生のトリプルアクセルは世界一美しいとも言われており、羽生自身も「アクセルに懸ける思いは強くある」と話していた思い入れの強い武器だ。

 それでも外す決断をしたのは“万一の備え”としてトリプルアクセルほど心強い存在はいないからだろう。フィギュアスケートには同じ種類のジャンプは2度まで、2度跳ぶジャンプは2種類までというルールがあり、失敗した際、選手は種類や回数を考え、修正しつつ演技している。羽生のトリプルアクセルは出来栄えで加点がつくことが多いため、仮に4回転ジャンプが抜けてしまっても「リカバリーで」4回転と“同等”の技を補うことができるのだ。

 備えあれば憂いなし-。挑戦の裏には、練習の段階からさまざまな状況を想定したリスク管理があった。

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