陸連が川内にアドバイザー協力を要請 壊滅の日本マラソン立て直しに白羽の矢

 「陸上・世界選手権」(6日、タワーブリッジ発着)

 男女マラソンが史上初の同日開催で行われ、男子は公務員ランナーの川内優輝(30)=埼玉県庁=が終盤驚異的な粘りを見せたが、日本人最高の9位で2大会連続で入賞なし。女子は清田真央(23)=スズキ浜松AC=の16位が最高と惨敗に終わり、95年のイエーテボリ大会以来、22年ぶりの入賞なしに終わった。3年後に迫る20年東京五輪に向けて、立て直しが急務となる中、日本陸連の河野匡マラソンディレクターは、日本代表引退を表明した川内にスペシャルアドバイザーとして協力を要請した。

 ロンドンの地で、TOKYOへの光は差し込まなかった。メダルの期待もあった女子は清田が16位が最高と惨敗。97年から10大会続いていた連続入賞がついに途切れた。男子も2大会連続入賞なしで、見せ場を作ったのは今大会で日本代表を撤退する川内(9位)と、34歳の中本(10位)のベテラン2人だけ。特に期待の若手陣が結果を出せず、河野マラソンディレクターは「ピーキング(状態の上げ方)がなってない。準備の仕方を改めないといけない」と、厳しい表情で話した。

 リオ五輪に続く入賞なしで、壊滅状態といっていい元“お家芸”。東京五輪まであと3年。早急な立て直しが迫られる中、河野ディレクターはマラソンの世界を知り尽くすあの男に白羽の矢を立てた。「川内くんには代表からいなくなるんだとしても、いろいろ協力してもらいたい。ありとあらゆるマラソンの中身を知っている。東京五輪にも力になってもらいたい」と今後スペシャルアドバイザーとしての協力を求めた。

 国内外71回のマラソンを走っている“最強市民ランナー”には誰にも持ちえない経験がある。今大会でも代表の中では随一の仕上がりを見せ、レースでも転倒がありながら、驚異的な追い込みを披露。ラスト2・195キロは出場選手中トップの6分41秒で走るなど、圧倒的な存在感を示した。女子の山下佐知子担当コーチも「自分のスタイルがあって、ブレない」と、そのメンタルを称賛した。

 川内自身も経験を伝えていくことには前向き。かつて陸連批判も繰り広げた異端児の“生きざま”が、教本として日本を救う日がやってくるかもしれない。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス