白鵬「サンキュー」V39 前人未到のV40そして幕内1000勝へ

 日馬富士(右)を破り優勝した白鵬
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 「大相撲名古屋場所・千秋楽」(23日、愛知県体育館)

 白鵬が日馬富士との横綱同士の結びの一番を寄り倒しで制して14勝1敗とし、2場所連続、自身の持つ最多記録を更新する39回目の優勝を果たした。今場所は大目標に置いた元大関魁皇(現浅香山親方)を抜いて単独1位の通算1048勝目をマーク。1050勝まで伸ばし、賜杯を抱いて自ら祝った。次なる目標は前人未到のV40と、幕内1000勝。最強横綱が再び黄金期を取り戻した。

 締めのあいさつまで白鵬劇場だった。優勝インタビューの第一声で「名古屋の皆さん、サンキュー!!」と絶叫した。

 39回の優勝にかけたしゃれを「天才だな、俺は」と自画自賛。観客に意味が伝わったかは不明だが、会場を熱狂させた。「おめでとう!!」コールに、四方に向け、万歳して応えた。

 1敗で追う碧山が勝ち、負ければ優勝決定戦となる結びの一番。1分9秒5の大相撲で日馬富士をねじ伏せた。立ち合い、右手を出しながら左へ動いた。左上手を取ってがっぷり組み合った。寄りも残して反撃し、最後は力を振り絞って寄り。土俵際に体ごと寄り倒し、転落した。

 右膝には擦り傷で血がにじんだ。14勝目を挙げ、執念で逃げ切った。9日目に元横綱千代の富士(前九重親方)の通算1045勝に追い付き、そこから記録更新に挑み続ける毎日。11日目、御嶽海に不覚を取るなど、重圧は計り知れなかった。

 13日目に元大関魁皇を抜く1048勝目。「大記録から何とか切り替えて優勝できて良かった。この3日間を思い出して、負けた後の内容が良かったから。大満足です」。記録と優勝。自身を何度も奮い立たせるのは並大抵ではない。「また違うね」と、特別な39回目の優勝をかみしめた。

思い出の地で

 名古屋場所は今年で60周年。60年前の58年の第1回を制した初代若乃花とは深い縁があったことを明かした。26年前、相撲のルーツをモンゴルに訪ねてきた時、モンゴル相撲の大横綱、父ムンフバトさん(76)と対談した。白鵬は当時6歳。「お菓子をもらった。それが、うまい棒でした」と鮮明に残っていた。

 思い入れのある名古屋で「(記録もVも)両方を見せることができて幸せ」と感無量の面持ち。次の目標はV40、残り44勝の幕内1000勝だが「取りあえず休みたい」と15日間、心身とも出し切った。

 若手の台頭、世代交代が話題となった場所も、終わってみれば白鵬の一人舞台。2場所連続の優勝で、まだまだ巨大な壁であることを見せ付けた。

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