白鵬、歴代最多勝に王手 天国からの“刺客”千代翔馬撃破でウルフ超え1046勝

 「大相撲名古屋場所・10日目」(18日、愛知県体育館)

 横綱白鵬が平幕千代翔馬を寄り切って初日から10連勝とし、通算1046勝目を挙げ、昨年7月に死去した元横綱千代の富士(前九重親方)を抜いて単独2位となり、同1位の元大関魁皇(浅香山親方)の1047勝に王手をかけた。歴代72人の横綱では最多を記録するとともに、史上最多39回目の優勝へ単独トップを守った。平幕碧山は千代大龍を突き出して1敗を守った。新大関高安は平幕宇良を首投げで退け、勝ち越しを決めた。

 これも因果か。まるで天国からの“刺客”を破って、白鵬が1046勝目を積み重ねた。

 「そういう巡り合わせ。弟子に勝って恩返しできたのかな」

 185センチ、132キロの均整の取れた体の千代翔馬は、183センチで130キロに満たなかった前九重親方をほうふつとさせる。細身ながら全身バネのような身体能力もうり二つだった。

 白鵬は来日時、体重が62キロしかなく、小さくとも大きな力士をぶん投げる千代の富士の映像を繰り返し見て教科書とした。偉大な先人が手塩にかけた“最後の弟子”を前にウルフの姿を思い起こしたであろう。慎重だった。

 立ち合い、よく見て立った。右差し、左上手の自分の型になっても急がない。相手の巻き替えに乗じて体を寄せて決めた。

 15年5月、前九重親方の還暦土俵入りで太刀持ちをした。「(入門して間もない頃)ビデオで見ていた土俵入りを数10センチの近くの距離で見ることができて光栄」と子供のようにうれしかった。

 あこがれてきた大横綱に並ぶ重圧で実は前日、平常心ではいられなかった。それでも「並ぶより、優勝するんだ」と、先を見ることで必死に落ち着かせた。

10連勝単独トップ

 そして千代の富士を抜き、横綱で最多の勝ち星に名を刻んだ。興奮や喜びはあるが、前日ほどの高まりはない。歴代1位、魁皇の持つ1047勝へあと1勝。「まあ、一番一番」と、次の新記録へ緩むことはない。

 10連勝でトップを独走し、全勝でのV39も視界にとらえた。白鵬祝賀ウイークが千秋楽まで続きそうだ。

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