高安、来場所大関でやりかえす 昇進祝えず連敗フィニッシュ「悪い癖がでた」

 「大相撲夏場所・千秋楽」(27日、両国国技館)

 関脇高安は悔しい大関昇進となった。大関照ノ富士の小手投げに屈し、連敗フィニッシュ。11勝(4敗)を挙げすでに昇進を確実としていたが課題を残した。審判部が昇進を諮る臨時理事会の開催を八角理事長(元横綱北勝海)に要請。31日に開かれる名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)番付編成会議と同理事会で新大関が正式に誕生する。結びの横綱対決では14日目に38度目の優勝を決めていた白鵬が日馬富士を寄り切り、自身の持つ史上最多を更新する13度目の全勝優勝で締めた。

 今後もライバルとなる2歳下の大関にねじ伏せられた。照ノ富士に両腕を怪力で極(き)められ、最後は小手投げで転がされた。

 連敗で昇進を自ら祝う白星締めはならず。支度部屋では痛めた右肘をアイシングしたまま口を真一文字。悔しさをあらわにした。

 13日目に横綱日馬富士を撃破し11勝。昇進は確実にしていた。この日、審判部は昇進で一致し、二所ノ関部長(元大関若嶋津)が八角理事長に臨時理事会を要請。31日、同理事会で正式決定し、伝達式が行われ「大関高安」が誕生する。

 今場所はかち上げから豪快な立ち合いを確立。一方で引く癖を指摘されてきた。理事長は「また勉強。まだ伸びる。(来場所は)まず当たって押し込むこと」と課題を挙げた。

 新大関も分かっている。“最後”の三賞受賞となる2度目の技能賞の表彰後、口を開いた。「悪い癖が出た」と反省。ただ重圧の中で結果を残した。「素直に喜びたい」と安どの笑みを浮かべた。

 中学卒業後、野球一筋だった高安少年は未知の角界に飛び込んだ。厳しい環境に何度も部屋を脱走した。その数は「10回は超える」と父栄二さん(66)。赤信号で止まった車から飛び降りたこともある。そのたびに連れ戻した父が11年前、がんで腎臓の片方を取る手術。経営する3軒のレストランを手放した。家族を支えるため腹を決め、番付を駆け上がった。

 「(大関なんて)当時の自分に言ったらビックリする」と高安。兄弟子稀勢の里の背中を追い続けてきた。「2桁は勝てる。貴重な星を取りこぼさなければ優勝は近づく」。まだ通過点。目指すは優勝、さらにその上の地位だ。

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