稀勢の里 再び単独トップ!初Vへ残り5日間「集中してやる」

 「大相撲初場所・10日目」(17日、両国国技館)

 初優勝を目指す稀勢の里が照ノ富士との大関対決を寄り切りで制して9勝目を挙げ、1敗を守った。1敗で並んでいた平幕貴ノ岩が敗れたため、再び単独トップに立った。4場所ぶりV奪回を狙う横綱白鵬は勢を突き落として連敗を2で止めた。2敗には白鵬、貴ノ岩、逸ノ城、蒼国来の4人が並んだ。

 冷静だった。立ち合い抱え込むような形になっても、右上手のまわしが一枚になっても慌てず自分の形を作っていった。差した左で上手を切ると、一度は切れた右上手も取り直して、寄り切った。

 前日は不調の大関琴奨菊に黒星を喫した。弟弟子・高安が白鵬を破る援護射撃があったものの、つまずいたのは間違いない。支度部屋では「集中してやりました」。1敗で並んでいた貴ノ岩の敗戦も「相撲に集中して」と意に介さず、悪い流れを断ち切った。

 初日から連勝し、初優勝の機運が高まったころに連敗、というのがこれまでの稀勢の里だった。昨年の春場所は白鵬、日馬富士(11日目、12日目)に、続く夏場所は白鵬、鶴竜(13日目、14日目)に敗れて後退した。負けた後が最も大事な一番だった。

 「夏より難しい、そこも相撲」と語る冬場に体調を維持するため、「どこの部屋にも加湿器を置くようにしている」と明かす。白鵬との直接対決が残る終盤戦へ、土俵の外でも万全を尽くしている。

 終盤戦への意気込みは「明日は明日でやるだけですね。一日一番、集中してやるだけです」。周囲の期待が高まる中、真価が問われる5日間になる。

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