東福岡3冠達成!大会最多の311得点 国内41連勝と圧倒的な強さ

 「全国高校ラグビー・決勝、東福岡28-21東海大仰星」(7日、花園ラグビー場)

 東福岡(福岡)が東海大仰星(大阪第一)を28対21で下し、2大会ぶり6度目の優勝を果たした。前々回の同校、前回の東海大仰星に続いて昨年の全国選抜大会、7人制大会と合わせての3冠も達成。2大会前の同校(298点)を上回る、大会最多311得点も光った。東海大仰星はチャンスでのミスが目立ち、2年連続5度目の優勝を逃した。

 手負いの虎が牙をむいた。痛む左足をものともせず、切り込み隊長を担った。前半19分、激しいターンオーバーの応酬の中、密集から抜け出した。自陣10メートルライン付近から1人、2人、3人…。巧みなステップで相手をかわすと、タックルをしかけてきた8人目もなぎ倒して左中間へ先制トライ。「監督が、死んでも絶対(試合に)出すと言ってくれた。チームを引っ張ってきた自分が得点しないといけないと思った」。東福岡のCTB森勇登(3年)が60メートルの覚悟の激走を振り返った。

 2日前の準決勝・御所実戦で負傷退場。左足首を痛め、右膝痛も併発したとされていた。しかし、右膝は「狙われるといけないからダミーでした」。実際は左足首と左膝。宿舎では車いすで生活するほどの重傷だった。

 主将のロック箸本龍雅(3年)は「1人で走りきってくれた。そこで倒れていたとしても、みんなが森勇登のために頑張ると思えるくらい、チームの士気を変えてくれた」と感謝した。試合開始から敵陣を支配しながら、相手の粘り強いディフェンスに手こずった。重い空気が漂い始めた矢先のトライだった。

 痛み止めの飲み薬と座薬を入れ、患部をテーピングで固めて出場した森は2本のゴールキックも成功させた。「去年からチームを引っ張ってきた。1分でも5分でも(出場させたい)と思った」と藤田雄一郎監督(44)。「強いフィジカルはどんな状況でも生きてくる」という指揮官の指導理念を、教え子が痛みをこらえて体現した。

 今チームは国内41連勝無敗。近年の高校ラグビーをともにけん引する東海大仰星と雌雄を決し、高校3冠も達成した。「ノーサイドまで立っていたかった」という高校日本代表候補の願いがかなった瞬間、東福岡は真の王者を証明した。

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