難病「若年性突発性関節炎」乗り越えた17歳三原舞依が憧れの真央上回る2位発進
「フィギュアスケートGPシリーズ第1戦・スケートアメリカ」(21日、シカゴ)
女子ショートプログラム(SP)が行われ、シニアGP初出場の三原舞依(17)=神戸ポートアイランドクラブ=が堂々たる演技で自己ベストの65・75点をたたき出し、首位と3・75点差の2位に入った。GP初戦を迎えた元世界女王の浅田真央(26)=中京大=は、64・47点をマークで5位につけた。
滑ることができる喜びを全身で表現した。これがシニアGPデビューとなった17歳の三原が、圧巻の演技でGPデビューを鮮烈に飾った。スピード感あふれるスケーティングから冒頭の3回転ルッツ-3回転トーループの連続ジャンプを完ぺきに成功させると、最後の3回転フリップもなんとか耐え抜き、ジャンプはすべて着氷。サン・サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」にのせて、優雅に滑りきった。
表示された得点を見ると、口を押さえて驚いた表情を見せた。「うそ~っていう感じで信じられなかった」-。憧れの浅田真央を上回る2位発進に目を丸くした。
昨年12月のジュニアGPファイナルに出場後、全身の関節が痛む難病「若年性突発性関節炎」を発症した。「一番ひどかった時は歩けなくて車いすに乗っていた。動けなくてつらかった」。約4カ月間、リンクを離れた。
一時は再起も危ぶまれたが、地道な治療と懸命な練習で復帰した。今でも痛みが出ることがあるが、「昨季のケガ前の自分を超えられるようなスケーターになっていけたらっていうのと、氷に乗れたっていう感謝の気持ちやうれしさをプログラムで表現できたら」と話していた三原。舞い戻ってきた銀盤で、大きな成長の証を刻んだ。