山県、日本歴代4位10秒03 “神業”スタートで今季3度目自己記録更新

 「陸上・全日本実業団対抗選手権」(25日、ヤンマースタジアム長居)

 リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレー銀メダルメンバーの対決となった男子100メートル決勝は、山県亮太(24)=セイコーホールディングス=が日本歴代4位の10秒03(追い風0・5メートル)の大会新記録でケンブリッジ飛鳥(23)=ドーム=を退け、大会初優勝を飾った。ケンブリッジは10秒15で2位だった。両者は今季最終戦となる岩手国体の男子100メートル(10月8日)でも対決。日本人初の9秒台への期待が高まる。

 実業団大会では異例の2万8000人の大観衆が見守ったリオ五輪銀メダルメンバー対決は、世界を驚かせた究極のスタートダッシュを再現した山県に軍配が上がった。

 号砲とともに先手を奪うと、ケンブリッジの追い込みを完封した。リオ五輪準決勝では最速の0秒109の反応タイムをマークしたが、この日はさらに上回る0秒107。「0秒1未満」はフライングと判定される中、まさに“神業”といえるスタートで、2位に終わった6月の日本選手権のリベンジに成功した。

 リオでの10秒05を上回り、今季3度目の自己記録更新となる10秒03に「9秒台を狙っていたので、悔しさ4割、うれしさ6割。でもスタートは速い。五輪で得た感覚を定着できている」と胸を張った。

 歴史的快挙となったリレーでの銀メダル獲得後も、満足感とは無縁だった。帰国後、1週間でスピード練習を再開。今やどこにいっても黄色い声援が飛ぶほど周囲の見る目は一変したが、足元を見失うことはなかった。「(地元広島の)県民栄誉賞(カープの新井、黒田、競泳の金藤が受賞)獲れなかったですからね。まだまだ足りん」と、広島弁も交じえてちゃめっ気タップリに笑って見せた。

 今季最終戦の国体では再びケンブリッジと激突。「9秒台を狙っていきたい」。充実のシーズンを最高の形で締めくくる。

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