十両転落の安美錦が初日「これでまた一歩が踏み出せる」
「大相撲秋場所・2日目」(12日、両国国技館)
5月場所で左アキレス腱断裂したため先場所を全休し、十両に転落した安美錦(37)=伊勢ケ浜=が里山(尾上)を波離間投げで下し、初日を出した。
低く潜ろうとした相手に対し、右で張り肩越しの左上手で投げながら回して土俵に転がした。「一発手を出して当たって行った。自分から動いて中に入られないように。はたいてから次の流れにつなげられる」と、久々の勝利に細い目をさらに細めた。
人気ベテラン力士の土俵復帰に連日、館内は大歓声。「宇良といい勝負じゃない?」とニヤリ。「出てくるだけで声援なんて辞める間近の力士じゃないんだから。相撲で応援してもらえるように」とまだまだ健在に胸を張った。
復帰まで苦しい道のりだった。「ここまで来るのが大変だった。家族と一緒に取ったような白星。先が見えなかった。出られて良かったし、これでまた一歩が踏み出せる」と、しみじみと話した。