佑典、団体金に輝く!田中3きょうだい末っ子 引退した和仁&理恵の分まで

 リオデジャネイロ五輪で04年アテネ五輪以来の団体金メダルを狙う体操男子日本代表は28日、選手村近くの練習場で非公開で調整した。2度目の出場となる田中佑典(26)=コナミスポーツ=は、ここまで好調をキープ。12年ロンドン五輪は兄・和仁、姉・理恵と日本体操史上初の3きょうだいで同時出場したが、21日に兄が引退を発表し、唯一の現役選手となった。兄姉の思いも胸に、再び夢の舞台に挑む。

 いつもながらの穏やかな口調の中に、じんわりと熱が交じった。「ちょっと寂しい気持ちはあるけど、仕方ない。いつか誰しも引退する日はくるので。長いことよく頑張ったと思う」。31歳の兄・和仁はリオ五輪の選考会で敗れ、佑典がブラジルに出発した翌日の21日に引退を発表。姉の理恵はロンドン五輪後に現役を退いており、3きょうだいの現役選手は佑典だけになった。

 最終選考会となった6月の全日本種目別後に兄と直接会って、引退の報告を受けた。得意の平行棒が、兄の最後の演技となった。「『俺、もう引退するわ。これ以上の演技はないやろ』と。気持ちがすっきりしたんだと思う。本当にお疲れさまでしたの一言」-。ただ、兄の悔しさは誰よりも分かる。ロンドン五輪代表からは佑典を含め、5人中4人が連続出場。和仁だけが代表入りを逃した。「4人がロンドンから一緒だし、絶対悔しさはあると思う。思いを背負ってどうなるわけじゃないけど、片隅には置いて演技したい」と、改めて誓った。

 ブラジル出発前には3きょうだいそろって、壮行会を行った。兄姉からは「体調に気をつけて頑張ってこい」と、送り出された。姉の理恵さんはテレビのキャスターの仕事もあり、現地に駆けつける。

 ここまでの調整は順調そのもの。「体の反応はすごくいい」と、表情には自信が宿る。ロンドン五輪では、団体の銀メダルが最高だった。2度目の夢舞台。田中3きょうだいの代表として、美しく、そして力強い演技で黄金の輝きをつかみにいく。

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