錦織ストレー倒 緩急自在に圧倒

 「テニス・全仏オープン」(25日、パリ)

 男子シングルス2回戦で、第5シードで世界ランキング6位の錦織圭(26)=日清食品=が同40位のアンドレイ・クズネツォフ(25)=ロシア=にストレート勝ちし、2年連続で3回戦へ進んだ。次は同52位のフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)とベスト16入りを懸けて対戦する。女子では全仏初参戦の同101位、大坂なおみ(18)も同52位のミリヤナ・ルチッチバロニ(34)=クロアチア=に快勝し、3回戦へ進出した。

 前日までの雨と打って変わり、快晴のコートで錦織は、苦渋の決断をした。「男としては、つらい判断でした」。序盤の第1セット3ゲームでクズネツォフにブレークを許し、1-3とリードを許した後だ。それまでは力で押す真っ向勝負を仕掛けていた。しかし、プレーに緩急を加え、高いボールを織り交ぜて、相手を揺さぶった。この策にクズネツォフはまんまとはまりミスを連発。錦織は第6、8ゲームをブレークし、挽回して第1セットをものにした。

 「(第1セットで)1-3になって、まずいなと。それが変えるきっかけだった。自分が何をするべきか分かった。遅いプレーができたことで、自分のペースに持ち込めた」

 このギアチェンジがうまくいき、ポイントを重ねた。第2セットは第3ゲームで相手にブレークポイントを握られる場面もあったが、4度のジュースのあとキープした。

 「第2セットからは重いボールや高いボールも打てていると感じたので、思い切れて、どんどんいいテニスができた」

 再び世界6位の力を見せつけるかのように、力で押すテニスで攻め切り、難なく1時間48分でストレート勝ち。3回戦以降に向けてエネルギーをセーブする戦いぶりに「次も頑張りたい」と声を弾ませた。(パリ・原田公樹)

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