寺本「代名詞」3回転ひねり決め逆転V

 「体操・NHK杯」(4日、代々木第一体育館)

 女子個人総合が行われ、12年ロンドン五輪代表の寺本明日香(20)=中京大=が安定感抜群の演技を見せ、115・050点で全日本選手権2位から逆転し、3年ぶり2度目の優勝を飾った。2位は全日本優勝の村上茉愛(19)=日体大、3位には昨年大会優勝の杉原愛子(16)=朝日生命=が続いた。上位3人はリオデジャネイロ五輪代表候補に決定した。

 最終種目・床運動の演技を終えると、寺本は満面の笑みを浮かべ軽やかにフロアから降りた。握りしめた両拳に宿ったのは、エースの矜持(きょうじ)。「自分の演技を楽しく笑顔でやりきろうと思っていた。五輪につながってうれしい」。出場選手中唯一、全種目で14点以上をマーク。持ち前の抜群の安定感で、リオ五輪代表をほぼ手中にした。

 内容は圧巻だった。跳馬で高難度のテンカイ伸身1回半ひねりを完璧に決め全体1位の15・300点をマークすると、平均台では近年構成に入れていなかった終末技のF難度3回ひねりを決めた。「3回ひねりは自分の代名詞。ロンドンの頃はいつでも決めてたけど。若かったので。でもまだ20歳ですから」と、屈託なく笑った。

 選手寿命の短い体操女子。16歳の最年少で出場したロンドン五輪から4年。田中理恵や鶴見虹子が引退し、今大会、ロンドンを経験しているのは寺本だけだ。この4年、常に代表に入り続け、日本女子をけん引してきた。

 「4年前は手がしびれるぐらい緊張したけど、今回はそこまでド緊張せずに演技できた。ロンドンの(田中)理恵さんを見て、自分も主将として体操女子を盛り上げる存在になることを目標にしてきた」。身長は4年前、日本選手団最小だった136センチから142センチに伸びた。ただ、それ以上に代表での存在感は増している。

 女子団体は昨年の世界選手権で5位入賞。64年東京五輪の銅メダル以来となるメダルの期待も懸かる。「頑張ればメダルを狙える位置にいる」と、寺本。体操ニッポン女子には小さくて大きな“大黒柱”がいる。

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