羽生が帰国 今年の漢字は「成」

 バルセロナで行われたフィギュアスケートのGPファイナルでSP、フリー、総得点の全てで自身が持っていた世界歴代最高記録を更新し、男子史上初の3連覇を達成した羽生結弦(21)=ANA=が15日、スペインから羽田空港に帰国した。世界中に衝撃を与えている21歳は、今年を表す漢字を「成」と発表。4連覇の懸かる全日本選手権(25日開幕・札幌)で、さらに成長した姿を見せることを誓った。

 世界記録を連発している今でも、自分の演技に決して満足はしていない。それでも、一歩一歩進めている実感があるからこそ、羽生は今年の漢字に『成』を選んだ。

 その心は将棋用語の『成る』であると明かした。「成長したなというシーズンだと思う。僕、将棋もやるんですけど、歩のように進んできて、やっとここまで来られた。そしてここからさらに強くなっていきたいという意味も込めて」。歩が成れば、『金』。ここから18年平昌五輪に向けて“金ロード”を歩む覚悟をにじませた。

 GPファイナルではNHK杯で打ち立てた世界記録を全て更新し、SP110・95点、フリー219・48点、総得点330・43点と、異次元の得点をたたき出した。25日からは全日本選手権。世界選手権代表入りは既に“当確ランプ”をともしている。焦点はもはや羽生が羽生を超えていけるかどうかだけだ。

 そんな世界中の期待に応え続けていく覚悟も気概もある。「皆さんの期待、力を受け止めきれるか。すべては僕に懸かってる」と表情を引き締めた。

 GPファイナルの結果は世界各国で報じられ、一部では、スピース(ゴルフ)、メイウェザー(ボクシング)、メッシ、C・ロナウド(サッカー)ら各競技の世界的スーパースターと並ぶ存在として羽生の名前が挙げられた。「重圧は常にあるもの。それを受け止めて、自分の力を発揮できるようにしたい」。世界最高峰の重圧をはね返しながら、終わりなく究極を求めていく。

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