真央逆転ならず3位ファイナルで雪辱

 「フィギュアスケート・GPシリーズ最終戦・NHK杯」(28日、長野ビッグハット)

 2季ぶりの国内公式戦で、はじけるような笑顔は最後まで見られなかった。フィニッシュの後、真央は悔しそうに天を仰いだ。SPに続きトリプルアクセルに失敗すると、3回転フリップからの連続ジャンプは2つとも着氷が乱れた。表彰台には上ったが「気持ちと動きが一致していなかった。ちぐはぐだった」と、唇をかみしめた。

 1年間の休養を経て今季からの復帰。「試合が恋しくなった」という気持ちは、順調に見えたここまでの結果とは反比例して、マイナスの方向へと傾いていた。「練習より試合の方がいいというのが続いていて、戸惑いがあった。最初は楽しみが大きかったけど、ちょっと気持ちが変わってきた」。思い出したのは、“試合の怖さ”。「これが今の自分の実力」と、改めて課題を突きつけられた。

 実際、真央の取り組みは、まだまだ道半ばだ。この日も完全な成功とはならなかったルッツも修正に取り組んでいる真っ最中。佐藤信夫コーチは「ずいぶん直ってきてる。ただ、どんな選手も緊張すれば、必ず昔の習慣が出る」と話す。25歳になって幼い頃から染みついた癖を直すのは容易ではない。それでもきっとできると思ったからこそ、氷の上に戻ってきた。

 12月には女子単独最多の5勝目が懸かるGPファイナルに出場する。「スケートも気持ちも見直して、また頑張りたい」。1歩進んで2歩下がることもある。それでも歩みを止めなければ、きっとその先に真の復活が待っている。

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