羽生、自画自賛の2位「頑張った方」

 「フィギュアスケート・GPシリーズ第2戦・スケートカナダ・第2日」(31日、レスブリッジ)

 男子でショートプログラム(SP)6位のソチ五輪金メダリスト、羽生結弦(20)=ANA=はフリー186・29点の2位と巻き返したが、合計259・54点で2位にとどまった。パトリック・チャン(カナダ)が逆転優勝した。SP1位の村上大介(陽進堂)は3位。女子はGP初出場で16歳の永井優香(東京・駒場学園高)が3位になった。アシュリー・ワグナー(米国)が優勝し、村上佳菜子(中京大)は4位だった。

 逆境になるほど燃える、羽生らしい演技だった。鬼気迫る表情で、冒頭からジャンプを決めていった。後半の1度を含む計3度の4回転ジャンプを全て着氷。終盤に転倒はあったが、演技後には笑みがこぼれた。SP6位から3連覇の懸かるGPファイナル(12月・バルセロナ)に望みをつなぐ2位に浮上。「自分の中では頑張った方」と、珍しく自画自賛した。

 SPでは2度のジャンプが「0点」と採点される痛恨のミスが出たものの「そんなに調子は悪くない」と手応えを感じていた。GP前哨戦ともいえる、2週間前のオータム・クラシック(カナダ)では、今季から導入した後半の4回転で氷に手をついたが、2回転との連続ジャンプへつなげた。「なんとか耐えた。一つ進歩した」と、満足そうに振り返った。

 その一方で、ライバルの復活を目の当たりにし、さらに闘志に火がついた。2季ぶりに復帰した元世界王者のチャンがフリーでほぼ完璧な演技を見せ、11・60点差で完敗。「正直、悔しい」と、目をギラつかせた。

 関係者によると、10月中旬から喉に違和感があり、練習を多く積めなかったという。「こんなもんです、まだ。もっと頑張ります」。次戦はNHK杯(27日開幕・長野)。GP初戦で得た手応えと課題を糧として、さらに進化した姿を披露する。

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