羽生 4回転連発!完全復調アピール

 「フィギュアスケートGPファイナル」(11日、バルセロナ)

 スペイン・バルセロナで11日に開幕し、男子では史上3人目、日本初の連覇が懸かるソチ五輪金メダリストの羽生結弦(20)=ANA=は同日、男子SP(12日=日本時間13日)に備えて公式練習に参加し、2種類の4回転ジャンプを決めるなど、キレのある動きを披露した。アクシデントに見舞われた中国杯、調整不足で4位に終わったNHK杯と不完全燃焼に終わったが、完全復活の気配を漂わせた。

 今度こそ、真の羽生結弦を見せつける。逆襲に燃える若武者が、公式練習で強烈なデモンストレーションを刻んだ。普段のルーティンでジャンプを跳んでいくと、前回のNHK杯では転倒が目立った4回転ジャンプにも精力的に取り組んだ。時折、練習の映像をタブレット端末で確認しながら本番に備えた。

 11月の中国杯で、フリー直前の6分間練習で中国の閻涵(えんかん)と激突。選手生命も危ぶまれた中、治療を受け演技し2位に入ったが、頭部、左足太ももなど計5カ所の負傷と診断された。一時は欠場も考えながら強行出場したNHK杯は、激突の“トラウマ”と調整不足を露呈し4位。GPファイナルまで2週間しか時間がない中、心身とも立て直すのは難しいかと思われた。

 しかし、NHK杯後は「(休養した)中国杯後の10日間を取り返す勢いでやってきた。いつも以上に追い込んできた」ときっぱり。練習で意識したのは「量よりも質」。音楽に合わせて本番さながらに滑る回数を増やし、本来のジャンプの感覚を取り戻した。

 日本男子初の連覇が懸かるが、今回の羽生はあくまで挑戦者として臨む。GPシリーズ2戦の結果で決まるファイナル進出の順位はギリギリの6位。“首の皮一枚”で連覇の夢をつないだ。「日本男子の最下位、ギリギリで切符をつかんだものとして、思い切って一番上を狙いたい」

 12日のSPでは近年では久々の1番滑走で登場する。それでも「どこで滑っても変わりないし、気負いはない。重圧がなくていい」と笑う。体力面を考慮し、GP第6戦のNHK杯と同様に、SP、フリーとも4回転は演技後半には組み込まない予定だ。

 今月7日に誕生日を迎え、20歳となって迎える初めての大会は、心機一転を図るには最高の舞台。情熱の国スペインから、羽生の新たな伝説が始まる。

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